中国の人民元。
中国西京研究院の趙建院長の分析が目を引く。趙氏は「経済の温度差の謎」という文章で不動産を指摘した。過去3年間の中国不動産暴落で約200兆元(約4755兆円)が吹き飛んだ。1世帯当たりの損失は50万元。一方、同じ期間の国内総生産(GDP)の増加は約20兆元で、損失を取り戻すには到底足りない。こうした趙氏の文章はすぐに削除された。中国経済の「光明論」を叫ぶ当局の機嫌を損ねたためとみられる。
しかし、「成長と民生」の乖離そのものを否定することはできない。今月初め、中国共産党機関誌『求是』が回答に乗り出した。『求是』はマクロ指標を経済の体温計、体感景気を人民の体感温度に例え、どちらも現実を反映するもので、どちらか一方だけを見れば全体の状況を歪曲しかねないと指摘する。統計数値と体感景気の間に温度差が生じるのは、新旧の成長エンジンが入れ替わる過渡期のためだという話だ。
新しい技術と産業は急速に成長する一方、既存の産業と雇用は縮小が避けられず、その間に生じる空白期が問題だということだ。それなりに一理ある。また、1000万人の大卒者は1000万人の退職者が空けた仕事に関心がないという趙氏の主張にも、うなずけるところがある。問題は、こうした中国の状況が見慣れないものとばかり感じられない点だ。ある人は成果報酬をどう分けるか悩んでいる一方で、ある人はそもそも仕事そのものを見つけられないというのが、われわれの現実ではないだろうか。
ユ・サンチョル/中国研究所長、チャイナラボ代表
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