16日、中国中央テレビ(CCTV)の春節特別番組『春晩』に出演したスタートアップ、ユニツリー(Unitree)のヒューマノイドロボットが壁をよじ登り、空中で回転する高難度の技術を披露している。[写真 CCTV画面キャプチャー]
興味深いのは、中国ロボット業界がこの問題を単なるハードウェアの限界だけとはみていない点だ。
短期的には手と体が問題だが、ハードウェアが一定の水準に達すれば、再び「頭脳」がボトルネックになる可能性があるということだ。VLAがカメラで周辺を見て人間の言葉を理解した後、行動を決定するものだとすれば、その一歩先は「自分がこのように動けば、数秒後に世界がどう変わるのか」を予測する技術だ。
例えば、ロボットが単にカップをつかむだけでなく、どの程度の力で、どの方向からつかめば倒れないかを予測し、行動を修正するという具合だ。既存のVLAは静的な環境で特定の作業を模倣することには強いが汎用性に乏しい。一方、今後目指す世界モデルは未来の状態を継続的に予測し、変化する環境に自ら対応することを目標としなければならない。
しかし、VLAであれ世界モデルであれ、結局は同じ壁にぶつかる。データだ。
中国メディア「第一財経」の報道によると、中国GPU企業ムーアスレッド(摩尔线程)の張建中創業者は、現在のVLAモデルの大半が約70億個のパラメーター水準で、初期の言語モデルの1000億個水準とも大きな差があると指摘した。張氏は、ヒューマノイドロボットの「GPTモーメント」が訪れるには数千~数万個のGPUを使用する大規模な訓練が必要だとし、現在のフィジカルAI技術は言語モデルより少なくとも5年は遅れていると評価した。
ChatGPTはインターネットに蓄積された膨大なテキストを学習することができた。しかしロボットに必要なのは、物をつかみ、押し、転び、再び立ち上がる物理世界のデータだ。高価なロボットを実際に動かしてデータを作らなければならない。フィジカルAI競争がAIモデル競争よりはるかに費用がかかり、時間もかからざるを得ない理由だ。
◇試される「中国ロボットバブル論」
中国ではヒューマノイドロボットをめぐる投資熱が高まっている。しかし産業内部からも、現在の企業価値がロボットが実際に生み出す経済的価値を先行しているとの指摘が出ている。最近急落したユニツリーの株価もそのような文脈だ。
何がバブルで、何がバブルでないかを分ける基準は何だろうか。ロボットが実際に稼げるかどうかが基準だ。ロボットが本当に生産性を生み出すかどうかは産業界が判断する。本当に使えるなら急速に普及するだろう。そういう意味で今年下半期が試金石となり、ひょっとすると来年には業界の優劣がかなり明確になるのではないだろうか。
ユニツリーの王氏は、フィジカルAIの「ChatGPTモーメント」まで、早ければ2~3年、遅ければ5~10年かかると予想した。ロボット1台を初めて訪れる工場や家庭に連れて行っても、別途訓練することなく約80%の作業を遂行できるようになる瞬間が、産業爆発の臨界点だということだ。
それまで中国ヒューマノイドロボットが越えなければならないのは、より高いジャンプや、より自然なダンスではない。工場で一日中同じネジを正確に締め、初めて見る物も落とさずにつかみ、予想外の状況でも仕事を止めない能力だ。
舞台照明の下では、すでに未来が到来したように見える。しかしヒューマノイドロボットの本当の競争は、スポットライトのない工場で始まる。中国ロボット産業の次の勝負は「どれほど人間らしく見えるか」ではなく、「どれほど人間と同じように安定して働けるか」にかかっている。
踊りはするがネジは締められない…中国ヒューマノイドの実用性(1)
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