北朝鮮の金正恩国務委員長が昨年5月、兵科別の戦術総合訓練を視察する中、北朝鮮軍の特殊作戦部隊員がドローンを活用した戦術訓練を実施している。[朝鮮中央テレビ画面・聯合ニュース]
27日、複数の消息筋によると、今月中旬以降、最前線の東部戦線で北朝鮮兵がMDLを越境する事案が複数回発生した。この兵士らは全員武装した状態であり、つるはしなどを持つ作業班とは異なるという。定期的に警戒任務をする巡察組である可能性も排除できない。
韓国軍の合同参謀本部は「最近、東部戦線で北の軍が軍事境界線を侵犯したため、韓国軍は作戦遂行手順に従って警告射撃を行った」とし「北の軍の動向を綿密に監視しながら、確固たる軍事的警戒態勢を維持している」と明らかにした。
合同参謀本部は北朝鮮軍の工事進行速度が速いため、早ければ2028年ごろにはMDL一帯の、いわゆる「国境線化」工事を完了する可能性があると推定している。当初の予想より1~2年早いペースだ。東部戦線で見られたこうした動きが全戦線に拡大すれば、要塞化工事の完了後、北朝鮮の警戒兵力が大規模でMDL付近まで南下する可能性もある。
韓国軍の作戦遂行手順では、北朝鮮軍がMDLを越えた場合、警告射撃を行うことになっている。警告射撃後も50メートル以上南下した場合には、原則として照準射撃を行うことも可能だ。北朝鮮軍の巡察・警戒活動がMDL付近で日常化すれば、韓国軍の警告射撃も頻繁になり、小さな誤判断やミスが武力衝突に発展する可能性もそれだけ高まる。
北朝鮮軍は2024年4月からMDLに沿って草木を取り除く、いわゆる「不毛地化」工事を開始した後、地雷原を造成し、鉄条網や戦術道路を整備している。特に、MDLから約80メートルの地点まで接近して、鉄条網や戦術道路を設置するケースもある。
こうした要塞化工事により、北朝鮮軍の兵力は従来の北朝鮮軍の監視所(GP)よりもはるかにMDLに接近できるようになった。1953年の休戦協定締結当時に設置されたMDLの標識が紛失したり移動したりしたことで、韓国と北朝鮮、国連軍司令部が認識する境界線が一致していない地域もある。実際、北朝鮮軍が自ら判断したMDLを基準に南側に越境し、地雷を埋設したり、不毛地化工事を行った事例も発生している。北朝鮮軍の活動範囲がMDLに近づくほど、境界線をめぐる現場での混乱や摩擦が生じる可能性が高まる理由だ。
北朝鮮は非武装地帯(DMZ)北側の警戒兵力を増やす一方、韓国軍は人口減少による兵力減少を考慮し、前方地域に投入する人員を最小限に抑えることを検討している。軍事作戦の面でDMZ一帯における主導権が弱まるとの懸念が軍内外から出ている背景だ。このため北朝鮮軍によるMDL一帯の要塞化に対応し、韓国軍の警戒作戦方式そのものを見直す必要があるとの指摘も出ている。
これに先立ち国防部は「北によるMDL一帯での障害物設置や、境界地域における軍事力増強など、いわゆる『国境線要塞化』の推進に対し、統合的かつ体系的に対応している」と明らかにした(20日の国会国防委員会への業務報告)。しかし韓国軍の警戒施設や兵力を相応に増強する以外に有効な代案がない点が限界として挙げられている。
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