韓国銀行の申鉉松(シン・ヒョンソン)総裁
韓銀金融通貨委員会は27日、政策金利を年2.75%から3%へ0.25%ポイント引き上げた。先月に続き2カ月連続で引き上げた。黃建日(ファン・ゴンイル)委員だけが2.75%据え置きの意見を出し、残りの金融通貨委員6人は利上げに賛成した。金融通貨委は通貨政策方向の議決文に「先制的な対応を通じて物価上昇の拡大を防ぐことが重要だ」と明記した。
今回の連続利上げは2022年4月~2023年1月の7回連続利上げ以来3年7カ月ぶりだ。当時はすでに金融引き締めサイクルが進行中だった。今回のように利上げを再開すると同時に次の会議でもう一度引き上げたのは初めてだ。今後強まる物価圧力を狙った措置だ。
申総裁はこの日の記者懇談会でことわざを持ち出しながら「今のうちに大掛かりな先手を打つこと」を強調した。申総裁は「先制対応は期待インフレを抑制し、物価上昇が拡大する前に早期対応することで、究極的には経済に及ぼすコストを減らすことができる」と述べた。対応が遅れるほど、より大幅な利上げ、より長く強度の高い緊縮を甘受しなければならない可能性があるという説明だ。
実際、据え置く理由も少なくなかった。消費者物価上昇率は2%台まで下がり、対ドルのウォン相場も1ドル=1300ウォン台後半まで下落した。2000兆ウォン(約230兆円)を超えた家計負債も負担だ。それでも韓銀は連続利上げを決めた。
◇過去最大級の拡張財政vs高強度の金融引き締め…政府・韓銀に足並みの乱れ
こうした判断を裏付けたのは力強い半導体好況だ。韓銀は今年の成長率見通しを2.6%から3.3%へ0.7%ポイント、来年は2.1%から2.9%へ0.8%ポイント引き上げた。今年の上方修正幅の半分にあたる0.35%ポイントが半導体景気の好調によるものだ。今年3.3%が現実になれば、2021年以来5年ぶりの高い成長率となる。
問題は好況の次の段階だ。半導体輸出で稼いだ資金が投資と賃金、家計所得を経て消費に流れ込めば成長には力となるが、需要面の物価圧力も強まる。韓銀は消費者物価上昇率の見通しを今年2.7%、来年2.3%に維持しながらも、食料品・エネルギーのように変動性の大きい品目を除いたコア物価上昇率は今年と来年ともに2.5%に引き上げた。
韓銀の今回の決定をめぐり、通貨政策と財政政策の「足並みの乱れ」を指摘する声も出ている。韓国政府は今年に続き、来年も過去最大規模の予算案を編成する予定だ。政府は大規模に資金をさらに供給し(拡張財政)、韓銀は逆に資金の流れを絞る(利上げ)状況だ。カトリック大学経済学科の梁俊晳(ヤン・ジュンソク)教授は「今年の経済成長率が韓銀の見通し通り3.3%に達すれば景気過熱状態だが、ここに政府が拡張財政に乗り出すのは行き過ぎだ」とし「借り手の負担は増えるが、物価圧力が強まる問題をより深刻に見るべきだ」と指摘した。半導体好況に加え、政府が大規模な予算を投入したことが、むしろ連続利上げのきっかけになったとの分析も可能だ。政策の足並みの乱れを指摘する声に対し、申総裁は「財政支出の規模、用途、支出速度などを見て判断すべき問題だ。もし財政支出が未来の成長をさらに引き上げる投資につながるなら、必ずしも足並みの乱れとは見にくい」と線を引いた。
追加利上げの可能性は残されている。ただ、ペースを落とすことはできる。申総裁は7月の通貨政策方向の議決文では韓銀が「利上げ基調を続ける必要がある」と明らかにしたが、今回は「物価・景気の流れおよび金融安定状況を綿密に点検しながら、追加利上げの時期と速度などを決めていく」と表現を変えた。続いて6カ月後の条件付きドットチャートの中央値である3.25%に言及し、「今後の通貨政策基調はそのドットチャートに示されている」と述べた。ドットチャートは3.25%が10人、3.5%が6人、3%が5人だった。今後6カ月間に4回の金融通貨委が残っているだけに、あと1回程度引き上げるとの見方に重きが置かれる。
10月の利上げを確定したわけではない。申総裁は政策金利が3%まで上がっただけに、その影響を点検する必要があると強調した。10月の金融通貨委前には8~9月の消費者物価と4-6月期の国内総生産(GDP)暫定値、名目GDPが発表される。
金融引き締めの終着点が3.25%なのか3.5%なのかをめぐっては、市場の見方が分かれている。教保(キョボ)証券のペク・ユンミン研究員は「連続利上げと大幅な成長率の上方修正にもかかわらず、ドットチャートの中央値は3.25%にとどまった」とし、「金融通貨委は2回以上の追加利上げについて確信を持てていない状態」と分析した。一方、ハナ証券のパク・ジュンウ研究員は「韓国経済が拡張局面の初期にあり、2026~2027年の平均成長率が3%を上回ると予想されるだけに、利上げサイクルが短期間で止まる可能性は非常に低い」とし、「最終政策金利3.5%は十分に可能な水準」と予想した。
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