ドナルド・トランプ米大統領が23日(現地時間)、ワシントンで開かれた自動車レース「インディカー・フリーダム250グランプリ」で敬礼している。[AP=聯合ニュース]
トランプ氏はこの日、自身のソーシャルメディア(SNS)に「カナダは(米国の)州にならないまま、州になった場合に得られる恩恵を求めている」とし、「彼らは長年にわたり、われわれの偉大な農家に巨額の関税を課してきた。もう許さない」と投稿した。
米国はカナダ産の鉄鋼、アルミニウム、自動車などに高率の関税を課しているほか、ワイン、乳製品、セメント、衣類、アイスホッケー用品などにも新たに50%の関税を課した。新たな関税の対象は約200億ドル(約3兆1800億円)規模で、米国のカナダ産品輸入額の約5%に当たる。
これに対し、カナダのマーク・カーニー首相は22日の国民向け演説で、米国と「戦争中」だと宣言し、「攻撃を受ければ戦争が始まるということであり、われわれは攻撃を受けた。報復関税で対抗する」と述べた。緊密な国防・安全保障協力と自由貿易を基盤に「最も近い同盟国」とされてきた両国が、報復関税を応酬する貿易戦争の相手になったとの評価が出ている。
両国の交渉は土壇場までかなりの進展を見せていたが、米国の一部業界や、ハワード・ラトニック商務長官らトランプ政権内の強硬派の反発によって決裂したと伝えられた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、当初、両国は鉄鋼・アルミニウム関税を50%から25%に、自動車関税を25%から15%に引き下げる案で合意していた。しかし、米アルミニウム業界が待ったをかけた。同業界は、原料アルミニウムに対する関税は引き下げても、加工品には50%の関税を維持すべきだと主張した。ラトニック長官も業界側の立場を代弁し、強硬な姿勢を示したと伝えられた。
自動車をめぐっても、カナダは米国産部品に適用されている関税還付を北米産のすべての部品に拡大するよう求めたが、米国は受け入れなかった。さらに、米国側が交渉終盤に中・大型トラックを関税減免の対象から除外しようとしたことで、両国の対立が深まったとされる。
米国とカナダは、世界で最も長い国境を接する隣国であり、北米経済を緊密に結びつけてきた同盟国でもある。両国の企業や産業のサプライチェーンは国境を越えて構築されているため、関税をめぐる衝突は鉄鋼や自動車など特定の産業にとどまらず、両国経済全体に波及する可能性がある。
しかし、トランプ氏はカナダに関税を課すだけでなく、カナダを米国の「51番目の州」に編入すべきだとの主張を繰り返してきた。これにより、カナダでは反米感情が広がった。米国への旅行を控える動きや米国製品の不買運動が始まり、駐カナダ米大使の追放を求める署名運動まで起きた。世論調査会社レジェ・マーケティングの最近の調査では、カナダの成人の56%が「政府には強硬路線を取り、米国にこれ以上譲歩してほしくない」と回答した。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「カーニー首相は交渉決裂を通じて、米国の主要同盟国のいずれも歩んだことのない道を選んだ」と伝え、AP通信は「貿易戦争が、かつて緊密で強固だった同盟関係をさらに破綻させている」と分析した。
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