2019年6月に板門店を訪問したトランプ米大統領が軍事境界線を挟んで金正恩委員長と握手している。[中央フォト]
◇イラン交渉最後の日に北朝鮮にラブコール
トランプ氏は17日、金委員長との首脳会談を提案し、北朝鮮の反応を問う記者の質問に「金正恩が答えた」とし、とても肯定的だと述べた。2日後には「年内に金正恩と会うだろう。金正恩は57個の強力な核兵器を持っている」と明らかにした。北朝鮮の核兵器保有数まで取り上げて核兵器保有を認めろという北朝鮮の主張を受け入れるような動きまで見せたのだ。
トランプ氏は第1次政権当時に公開された書簡だけで27通に達するほど金委員長と親密な関係を誇示してきた。しかし彼の最近の動きは11月の中間選挙を控えイランとの戦争で泥沼に落ちている雰囲気を反転させようという焦りから出たものという分析が支配的だ。米国は6月18日にイランとの終戦覚書を締結し60日間交渉を進めることにしたが、トランプ氏が対北朝鮮柔軟ジェスチャーを送った16日がイランとの交渉最終日だった点がこれを裏付ける。
問題は北朝鮮がどれだけ呼応するかだ。トランプ氏は金委員長が答えたと主張したが、金委員長の口の役割をする金与正(キム・ヨジョン)労働党総務部長は19日、「米韓合同軍事演習縮小に対し全く興味を感じない」として低い評価を出した。朝米指導者の疎通に対しても「私は全く知らないこと」と線を引いた。トランプ氏は昨年10月の訪韓時も朝米首脳会談を推進したが、北朝鮮が呼応しなくて実現しなかった。北朝鮮は2019年のハノイでの首脳会談決裂後、「(米国が)黄金のような機会を飛ばした」と主張し、国家戦略路線自体を修正した。朝米との関係改善を「長期戦」にし、中国とロシアに密着して後ろ盾を得るのに集中する雰囲気だった。トランプ氏の意図通りに流れるかは断定できない状況だ。
◇3度の対面で1勝2敗の金委員長
しかし北朝鮮が経済正常化を成し遂げるには朝米関係改善と対北朝鮮制裁解除は必須だ。ハノイで屈辱を受けた金委員長が4カ月後に板門店での会合に出るなど米国に対する未練を捨てることはできない理由だ。北朝鮮が2017年のように低俗で過激な表現の代わりに、金与正氏を前に出し「私は知らない」という形で対応するのもそれなりのレベル調節かもしれない。北朝鮮が相次いでミサイルを撃ちながらも北朝鮮内部には知らせないのも同じ脈絡だ。いつでも金委員長が決心すれば会合に出られる余地を残したわけだ。昨年10月に韓国を訪れたトランプ氏がラブコールを送った際に金委員長はぎりぎりまで悩んだという話もある。
【コラム】トランプ大統領、2600日ぶりに再会ラブコール…変わる金正恩委員長の計算法(2)
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