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容姿・学歴・ストーリーまで…英国が夢中になる「陸上の女神」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

16日に閉幕した欧州陸上選手権で4冠を達成したエイミー・ハントが4本の指を立てている。 [ロイター=聯合ニュース]

16日(現地時間)に欧州陸上選手権が閉幕したが、エイミー・ハント(24歳、英国)に関する報道は冷める気配がない。

ハントがメディアに好まれる要素を備えているのは確かだ。パリオリンピック(五輪)の女子400メートル(4×100メートル)リレーと、昨年の世界選手権女子200メートルで銀メダルに終わったハントは、今大会で100メートル、200メートル、400メートルリレー、混合400メートル(4×100メートル)リレーと、出場した4種目すべてで金メダルを獲得した。


2022年に大腿四頭筋の腱を断裂する重傷を負い、そこから復活したことも、一つのドラマのようだ。当時は歩くことも難しく、母親に支えられながらシャワーを浴びたというエピソードはよく知られている。


4冠を達成した後に発した自信に満ちた言葉も注目を集めている。「失敗しなければ勝つこともできない(If you don’t fail, then you don’t win)」「人生は短い。なぜ野心を持ってはいけないのか(Why not be ambitious?)」と語った。自身の哲学については「私が見せる姿、私のメッセージ、そして哲学は、すべて大胆になること(My whole persona, my whole message and ethos … is just to be bold)」と語っている。

ハントの自信は優勝セレモニーにも表れている。200メートルで優勝した後、映画『グラディエーター』の主人公マキシマスのように両腕を広げながら「楽しくないですか?」と語った。競技だけでなく、自身のキャラクターまで積極的につくっていく選手だ。

トラックの外での話題も豊富だ。ケンブリッジ大学で英文学を専攻したハントはジェフリー・チョーサー(1343年頃~1400年)らの古典文学に関心を見せてきた。競技と学業を両立した経歴は典型的な陸上スターとは異なるイメージを生み出している。

容姿やファッションも目を引く。端正な顔立ちとスリムな体格、イヤリング、ブレスレット、華やかなネイルを身につけてトラックを疾走する姿は、スポーツスターというよりファッションモデルを思わせる。モデルのオファーを受けたこともあり、ナイキと契約しているハントの商品価値は英メディアが歓迎する要素だ。

久々に登場した商品性ある陸上スターに英国メディアは熱を上げている。ガーディアンはハントを「ゴールデンガール(golden girl)」と呼び、テレグラフは「今大会の際立ったスター(the undoubted star of these championships)」と評価した。タイムズも「academic badass(勉強とスポーツの神)」「track goddess(トラックの女神)」などと表現し、スター性を強調した。ガーディアン、タイムズ、テレグラフはハントが4冠を達成した後、「KFCで祝勝会を開いた」という記事まで掲載した。ガーディアンはハントについて、先月陸上1マイルの記録を更新したジョシュ・カー(29歳)、サッカースターのハリー・ケイン(33歳)、ジュード・ベリンガム(23歳)らを抑えて「今年のスポーツ人賞(sports personality of the year)」の有力候補に浮上したと伝えた。

しかし記録だけを見ると、まだ世界の頂点に立ったと言うには早い。ハントの今回の欧州選手権100メートルの優勝タイムは11秒00だ。今季ベストのアデジャ・ホッジの10秒63とは0秒37の差がある。200メートル決勝のタイムも22秒19で、今季ベストのジュリアン・アルフレッドの21秒51より0秒68遅い。自己ベストも100メートルが10秒97、200メートルが22秒08だ。世界トップクラスであることは確かだが、「世界的スーパースター」と評価されるにはまだ越えるべき壁がある。

英国の主要メディアがハントに注目する一方で、英国で陸上競技の人気が以前ほどでない点は興味深い。今回の大会が開催されたバーミンガムのアレクサンダースタジアムは最大2万3000人を収容できるが、大会期間中は空席が少なくなかった。ハントが100メートルで金メダルを獲得した日も約1万3000人が来場し、収容人数の60%にも達しなかった。高いチケット価格などさまざまな要因があったものの、英国の陸上競技に過去のような大衆的な熱気がないことを示す光景でもあった。

こうした状況で英メディアがハントに注目するのはある意味、当然かもしれない。ハントは競技力だけでなく、ストーリー性、容姿、学歴、個性まで兼ね備えた稀に見る「商品性あるスター」だからだ。

問題はその先だ。タイムズは4冠達成の後、「もうエイミー・ハントは世界を制覇できるのか」という見出しの記事を載せた。ハントが本当に世界を制するには欧州選手権の王冠だけでは足りない。メイン種目の200メートルでは自己ベストの22秒08を超えて安定して21秒台を維持する必要があり、100メートルでも10秒台半ばまでタイムを縮めなければならない。

女子100メートルの世界記録はフローレンス・グリフィス=ジョイナーが1988年に記録した10秒49、200メートルの世界記録は同年のソウル五輪で同じくジョイナーが記録した21秒34だ。グリフィス=ジョイナーが死去して28年が経つが、この2つの記録はいまだに破られていない。



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