今年4月のFIFA総会で、FIFA副会長兼CONCACAF会長のモンタリアーニ氏(上)が演壇へ向かう際、インファンティーノFIFA会長の肩に手を置いている。CONCACAFは最近のインファンティーノ会長をめぐる問題で反対側に立った。[AP=聯合ニュース]
スペインのマルカや米国のAS USAは最近、「メキシコサッカー連盟(FMF)がCONCACAFを離脱してCONMEBOLに加盟することを検討中で、その過程でインファンティーノ会長の政治的な影響力が働いている」と報じた。メキシコが南米に移る可能性については過去にも何度か報じられていた。しかしFIFA首脳部の政治的な構想や利害関係が絡んで具体的な動きとして浮上したのは今回が初めてだ。
発端はFIFA内部の権力闘争だ。4選を目指すインファンティーノ会長は、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)直後にFIFAのガバナンス改革やW杯の民営化を進める過程で欧州サッカー連盟(UEFA)、アジアサッカー連盟(AFC)、CONCACAFなど主要な大陸連盟と対立した。
こうした中、FMFはCONCACAF加盟国の共同歩調から離れてインファンティーノ会長を支持した。
インファンティーノ会長はCONCACAFをけん制し、自らの支持勢力を確保するため、自身を支持したFMFに対してCONMEBOLへの移籍を支援することを約束したという。
FMFをはじめとするメキシコのサッカー界やファンの間でも、CONMEBOLへの移籍を望む機運が高まっている。北中米W杯で開催国としてのホームアドバンテージがありながらベスト16で敗退したことで、メキシコのサッカー界では「チームの体質を改善するためには、レベルが低く商業的にも偏りがあるCONCACAFを離れ、南米(CONMEBOL)に移るべきだ」という声が強まった。アルゼンチン、ブラジル、コロンビアなど世界トップクラスの代表チームやプロリーグと対戦することで、メキシコ代表と国内プロリーグ(リーガMX)の競争力を高められるとの考えからだ。
経済的なメリットもある。世界のサッカー界で周縁的な立場である北米を離れ、欧州と並ぶサッカー強豪地域の南米に移れば、代表チームによる大会(コパ・アメリカ)やクラブ大会(コパ・リベルタドーレス)を通じて得られる放映権収入や大会賞金なども大幅に増える。実際、2025年のクラブ大会の優勝賞金を見ても北中米チャンピオンズカップが500万ドルだったのに対し、コパ・リベルタドーレスは2300万ドルだった。これまで最大の障害だったW杯本大会への出場難易度についても、本大会の出場国が48カ国に拡大されたことで解消された。
地政学的な理由などから、所属する大陸連盟を変更したケースは過去にもある。イスラエルはかつてAFC(アジアサッカー連盟)に所属していたが、政治的ボイコットを表明した中東諸国のためAFCを追われた後、UEFA(欧州サッカー連盟)に定着した。オーストラリアはW杯への直接出場権を獲得するため、2006年にOFC(オセアニアサッカー連盟)からAFCへ所属連盟を変更した。かつてAFCに所属していたカザフスタンもUEFAチャンピオンズリーグへの出場などを目的に2002年に所属連盟を変更した。ただ、変更は容易ではない。メキシコの場合、実際に移籍するためには、CONCACAFからの脱退承認、CONMEBOLによる加盟決議、さらにFIFA総会の通過など難しい手続きを踏む必要がある。
この記事を読んで…