11日、アンドルーズ空軍基地で記者会見するトランプ米大統領 [AP=聯合ニュース]
11日(現地時間)のウォールストリートジャーナル(WSJ)によると、イラン政府は物資不足に対応するため、生活必需品を配給し、外貨の使用を制限する一方、投資支出を減らすことで経済を維持している。経済的負担の相当な部分を家計が抱え込んでいるが、戦略的に重要な輸入品や国家運営に必要な核心機能は維持し、米国の圧力に耐えているという分析だ。専門家はイランの経済的困難は今後さらに深刻化すると予想している。一方で、こうした経済体制がイラン指導部に米国との交渉を先送りさせ、長期間持ちこたえる余地を与えるとみている。
最近、米国とイランの緊張は、交渉再開の可能性が見えなくなるほど高まっている。イランは8日、ホルムズ海峡の再開放条件として従来の覚書(MOU)よりもさらに強硬な6項目の要求を提示した。これに対し米国は対イラン海上封鎖を突破しようとしたパナマ船籍の船舶にヘリコプターからミサイルを発射して無力化した。イランによるホルムズ海峡封鎖に対抗して米国の海上封鎖が再開され、イラン経済の主要な収入源である原油輸出も事実上停止した状態だ。英経済分析会社キャピタルエコノミクスによると、6月に45億ドル(約7170億円)だったイランの原油輸出額は7月には事実上「ゼロ」に近い水準まで落ち込んだ。イラン国内の経済状況も急速に悪化している。年間の物価上昇率は80%を超え、鶏肉価格は前年同期比で190%、牛乳価格は150%も急騰した。
国際通貨基金(IMF)は今年のイランの経済成長率を-5.4%と予想した。専門家はイラン国内で200万~300万人分の雇用が失われると推計している。イラン政府は経済崩壊を防ぐため、必需品の確保や社会的弱者への支援に動いている。菓子、医薬品、粉ミルクなどの必需品の輸入にあてる約35億ドル規模の外貨に対しては大幅に優遇された為替レートを適用している。休日にも工場を稼働させる一方、低所得層を対象に生活必需品を割引価格で購入できる制度を導入し、食品バウチャーの支給額も引き上げた。
トランプ米大統領は9日、「われわれは深刻なインフレに苦しみ、資金も底をついているイランの状況を眺めているだけ」と述べ、米国の海上封鎖がイラン政権の経済危機を深刻化させていると主張した。トランプ大統領の戦略は、経済的圧力を最大限に強め、イランを交渉のテーブルに引き出すことに重点を置いている。しかしイラン国内の政治構図が強硬派を中心に再編される中、むしろ妥協の可能性は低下していると、ウォールストリートジャーナル(WSJ)は分析した。
米シンクタンク、クインシー研究所のハディ・カハルザデ研究員は「米国の圧力はイラン経済を、かろうじて機能を維持する『生存体制』へと徐々に変えている」としながらも「強権的な国家構造のため、経済的苦痛が国家安全保障政策を変えるほどの圧力として作用するのは難しい」と分析した。中東の仲介国も、イランは数十年にわたり制裁に耐えてきただけに経済的圧力だけで譲歩を引き出すのは容易ではないとみている。
米国としても戦闘が長期化するほど負担は大きくなる。特に、主要な防空システムのパトリオット(PAC-3)ミサイルの在庫が不足している状況でイランへの空爆を拡大すれば、軍事的な負担が増大し、紛争が長期化する可能性がある。また、中東発のエネルギー供給不安定や物流への支障で国際原油価格や物価が上昇すれば、11月の中間選挙を控えたトランプ政権にとっても政治的マイナス要因となりかねない。結局、米国は長期的な経済圧力でイランを屈服させられると期待する一方、イランは紛争の長期化で米国の政治的負担が増すと判断している局面だ。
カハルザデ研究員「米国は長期的な経済圧力によってイランを追い込めると考え、イランは紛争の長期化が米国に政治的負担を与えると信じている」とし「双方とも相手側が崩れるまでの時間を見誤っている可能性がある」と述べた。
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