トランプ米大統領が10日(現地時間)、ホワイトハウスで小児向けワクチンの定期接種推奨対象を従来の18種類から11種類の疾病に縮小する内容の大統領令に署名した後、関連のSNS投稿を見せながら笑っている。 [AP=聯合ニュース]
トランプ大統領は同日、ホワイトハウスで開かれた署名式で「最も深刻で危険な11種類の疾病に対する予防接種だけを最高水準の推奨対象として認める」と述べ、ワクチンを複数回に分けて接種する方式を正式に導入した。
また、麻疹(はしか)・おたふく風邪・風疹を一度に予防できるMMRワクチンについては、3種類のワクチンをそれぞれ別に異なる時期に接種する方式に変更した。
新たな大統領令ではワクチンを3つのカテゴリーに分類する。すべての児童に推奨されるワクチン、高リスクの児童にのみ推奨されるワクチン、そして保護者と医師が接種によるリスクと利益について話し合った上で接種するかどうかを決める「共同意思決定」対象ワクチンだ。
これまで、すべての小児に接種が推奨されていたワクチンは麻疹、おたふく風邪、風疹、ジフテリア、破傷風、百日ぜき、ポリオ、インフルエンザ菌b型(Hib)感染症、肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、水痘(水ぼうそう)の11種類だ。高リスクの小児にはRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)に対するモノクローナル抗体、A型・B型肝炎、B群髄膜炎菌、ACWY群髄膜炎菌などの予防接種が推奨される。
このほか、「共同意思決定」の対象としてインフルエンザ、新型コロナ、A型・B型肝炎、ロタウイルス、髄膜炎菌感染症が指定された。
トランプ大統領はこの日、「生後1年の間にワクチンをすべて同じ日に接種するのではなく、5回に分けて別々に受けるべき」とし「現在は小児の体に非常に大量のワクチンが投与されているが、1回の接種で投与する量をその20%程度に抑えて接種の間隔を置くことで、児童の体がワクチンに耐えられるようにする」と主張した。
また、自分の子どもについても過去に予防接種を一度にまとめて受けさせるのではなく、5回に分けて接種したと説明し、「5回も通うのは不便だが、これが自閉症に大きな影響を及ぼすと考えている」と主張した。
一方、米国の医療界や科学界からは、ワクチンの接種間隔を延ばした場合、子どもが感染症にさらされる期間が長くなるとの懸念が示されている。また、ワクチン接種推奨対象を縮小すれば、予防接種率が低下し、その結果、ワクチンで予防できる感染症が広がる可能性があるとの指摘も出ている。AP通信によると、麻疹・おたふく風邪・風疹の個別ワクチンは現在のところ米国では入手できないという。
ニューヨークタイムズ(NYT)は今回の大統領令が実際にどの程度の法的効力を持つのかは不透明だと報じた。児童の学校入学などに必要な予防接種を義務化する権限は連邦政府ではなく州政府が持つからだ。
米裁判所も小児を対象とする一部のワクチン接種の中止を勧告したトランプ政権の予防接種政策の変更に対して一度ブレーキをかけている。
米マサチューセッツ州連邦地裁のブライアン・マーフィー判事は3月16日、米疾病対策センター(CDC)が縮小した小児向け予防接種推奨リストの施行を差し止めるよう求めて米国小児科学会など6つの医療団体が起こした訴訟で原告側の申し立てを認め、改定されたワクチン推奨リストの効力を停止する決定を下した。マーフィー判事は、CDCが予防接種諮問委員会(ACIP)による審議を経ることなく独自の判断でワクチンの推奨リストを改定したのは違法だと判断した。ACIPは米国民を対象としたワクチン接種に関する推奨事項を定める諮問機関。
この記事を読んで…