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【時視各角】北朝鮮は戦争を起こさないという考え

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
政府当局者と与党寄りの研究者と会った後、共通した考えを持っていることを知った。彼らは北朝鮮が戦争を起こすことはないと信じている。与党関係者が抱いている楽観的な信念の根拠は次のようなものだ。

北朝鮮はウクライナと戦争中のロシアに大量の武器と兵力を送った。ウクライナのゼレンスキー大統領は9日(現地時間)、北朝鮮軍3万~5万人のロシア追加派兵が決定したと主張した。ウクライナ政府は最大120発の弾道ミサイルと6基の発射台を保有する北朝鮮のミサイル部隊が、ロシアのヴォロネジ州に配置中と明らかにした。韓国国防情報本部は2025年7月時点で、北朝鮮が約2万8000個のコンテナ(152ミリ砲弾約1200万発分)をロシアに送ったと推定している。兵力5万人、ミサイル120発、砲弾1200万発など相当な戦力が空っぽになった状態で、北朝鮮が韓国を相手に軍事行動を起こすのは容易でないというのが与党側の計算だ。


そう信じる根拠はほかにもある。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は2023年12月、南北関係を「同族関係」ではなく「敵対的な二つの国家」と規定した。平和的な共存は難しいものの、冷え込んだ対峙状態のまま現在の分断体制を維持していこうという意図だと、与党側は分析している。2024年4月に始めた「停戦ラインの国境線化」は冷たい対峙を準備するための作業だという。北朝鮮は軍事境界線(MDL)周辺の茂みを刈り、地雷を埋設した後、鉄条網を張り、戦術道路を敷設している。与党側は、こうした施設によって韓国文化の北朝鮮流入や脱北者を阻止しようとしていると評価する。攻撃用ではなく、内部統制のためということだ。


さらにロシア・ウクライナ戦争が終われば、ロシアを動かして北朝鮮との関係を改善できると、与党側は期待している。戦後のロシアが経済を立て直すためには韓国と手を組む必要があると考えているからだ。

本当にそうなってほしい。ところが、果たして北朝鮮は与党側の「シナリオ」のように行動するだろうか。もちろん全面戦争になる可能性は高くない。しかし武力挑発や局地戦が起こり得る名分と条件はいくらでもある。

まず、北朝鮮の戦争遂行能力が高まった。ロシア・ウクライナ戦争の長期化と米中覇権競争が生み出した新冷戦構図のおかげで、北朝鮮は戦略的孤立から抜け出し、対北朝鮮制裁に穴が開いたことで外貨を得ることになった。北朝鮮軍はウクライナで21世紀の戦争と戦闘を習った。参戦の見返りとしてロシアから受けた先端軍事技術や石油・食料が北朝鮮の軍事力を高度化させた。

北朝鮮がさらに好戦的に出てくる可能性が高い。金正恩は「敵対的な二つの国家」を「二つの交戦国関係」と説明した。また、「領土完整」も国是に定めた。さらに、挑発の兆候や敵対勢力の動向を把握した場合、先制的かつ圧倒的に制圧するという「攻勢的防御」を強調した。指導部や国家の重要な体系に対する攻撃が迫っていると判断した場合には、核兵器を先制使用できると法文に明示した。

停戦ラインの国境線化は、停戦協定を無力化し、北朝鮮が国連軍司令部の解体を主張する名分となる。軍事境界線(MDL)以北2キロの非武装地帯(DMZ)がなくなれば、北朝鮮軍の攻撃の兆候を発見する機会が減る。

ロシアが戦後、韓国との経済協力を望み、そのために北朝鮮を動かすという保証もない。

金正恩が娘キム・ジュエを「金氏王朝」の4代目の後継者に内定した状況も気になる。北朝鮮で後継者が推戴されたり指名されたりする時期には韓半島(朝鮮半島)の安全保障が揺らいだ。金正日(キム・ジョンイル)が2代目の後継者に指名された1974年には、海警警備艇沈没事件、8・15大統領狙撃未遂・大統領夫人殺害事件、第1トンネルの発見などがあった。金正恩が3代目の後継者としての地位を固めていた2010年には、「天安」襲撃事件と延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦が起きた。

金日成(キム・イルソン)が普天堡戦闘で勝利して以降、北朝鮮において首領の資格の一つは軍事的勝利だ。核を保有する北朝鮮に対して韓国がうかつに反撃できないという自信も持っているはずだ。

もちろん与党の楽観的な見方が現実になることもある。しかし過去を振り返ると、安保は悲観主義の方である場合がはるかに多かった。

イ・チョルジェ/国防記者



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