ドナルド・トランプ米大統領(左)と習近平中国国家主席。ロイター=聯合ニュース
ソン委員は10日の中央日報とのインタビューで、米国を信頼するという回答が昨年の66.3%から今年45.4%に急落し、2017年の質問項目導入以降初めて不信(46.4%)を下回ったことについて、「ドナルド・トランプ米大統領という個人的要因と米国の相対的な覇権衰退が重なった結果」と分析した。その一方で、62.3%が「韓米同盟を維持・強化すれば安全保障を守ることができる」と回答したことについては、「米国は信じられないものの、代案は見えないということ」と診断した。
軍事的脅威となる国として中国を挙げた回答は1年間で73.0%から78.9%に、米国を挙げた回答も15.4%から21.8%に上昇した。ソン委員は「過去には北朝鮮の核・ミサイル高度化の要因が最も大きく、その次が米中覇権競争に巻き込まれる危険だったとすれば、現在は米中関係に還元できない米国リスクと中国リスクがそれぞれ高まった」と診断した。
解決策としては「取引に基づく外交に適応しなければならない」とし、日本を含む小多国間ネットワークと中堅国の連帯を挙げた。ただ、過去史問題などにより日本との協力に慎重な世論は障害になるとの見解を示した。
以下はソン委員との一問一答。
--米国に対する信頼と不信が初めて逆転した。
「トランプ氏の予測不可能で一貫性のない行動がこの1年間ずっと続いた。構造的にも米国は負担を同盟国に転嫁しているが、取引的観点から一方的に行われている。米国に対する不信は欧州や日本などでも共通する現象だ」
--それでも韓米同盟だけで安全保障は十分だという回答が多い。
「代案がないからだ。カナダ・英国・フランス・ドイツは米国への依存を減らすために2枚のカードを使っている。米国を除いた中堅国の連帯、そして中国カードだ。韓国はどちらも難しい。中堅国の連帯はこれまで試みたことがなくてなじみがなく、中国に対しては単なる非好感ではなく『実存的な脅威』を感じている。危険な国をカードとして使うことも危険なことだ」
--中国の脅威の理由として経済的威圧(55.4%)が1位だった。
「2017年に本格化したTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復が決定的な転機だ。経済制裁だったが、実際には韓国の安全保障政策に対する反対であり、それ自体が安全保障上の脅威だ。限韓令が9年にわたり維持されていることも、韓国の安全保障政策に関するレバレッジを引き続き握っておくという意味だ」
今回の調査でソン委員が最も意外だったと挙げたのは、中国の技術力に関する認識だ。米国と中国のどちらが先端技術をより多く確保しているとみるかという質問に70.2%が米国を挙げた。中国と答えた回答(11.0%)の6倍を超える。米政治専門メディアのポリティコ(Politico)が英国の世論調査会社パブリック・ファースト(Public First)と今年2月、米国・カナダ・フランス・ドイツ・英国など5カ国でそれぞれ約2000人を対象に米中間の技術的優位性に関する認識を調査した結果は全く異なっていた。中国が上回っているとの回答はカナダ54%(米国37%)、フランス50%(36%)、ドイツ55%(30%)、英国53%(35%)で、いずれも優勢だった。自国が優位との認識が維持されたのは米国だけだったが、これも米国53%、中国41%と拮抗していた。
--韓国だけ突出している。
「米国人よりも私たちの方が中国を低く評価しているのは意外だ。世論調査をしていると、反中・反日感情が強いほど相手をディスカウント(評価を引き下げ)し、逆に自尊自大になる傾向がある。日本を遠ざけたことで、外交的な悪影響が大きかった。日本ですらそうなのに、中国ははるかに大国だ。感情が現実をゆがめる危険な現象になり得る」
--戦時作戦統制権移管への賛成(52.0%)が半数を超えた。
「同盟が不安だという心情が安全保障上の自立として表出しているといえる。賛成した回答者の中でも、実際に移管の準備ができていると考えている人は12.8%にすぎない。一種のナショナリズム(民族主義)が自主国防の方向に噴出したものとみるべきだ」
--処方箋は。
「韓国は今や完全に不信の世界の中にいる。それがニューノーマルだ。同盟は取引関係であり、同盟国は国益を実現する手段であって血盟ではない。取引をするにはカードがなければならない。中国を活用するのは逆にやり返される危険が大きいため、日本を含む小多国間ネットワークが重要だ。ただ、安全保障の面で日本との協力に慎重な世論が強ければ、協力も容易ではない」
◇中央日報-東アジア研究院(EAI)共同企画、どのように調査したか
7月20~21日、全国の成人男女1547人を対象にウェブ調査(95%の信頼水準で最大許容標本抽出誤差±2.5ポイント)。EAIが韓国リサーチに依頼。
EAI企画研究チーム=ソン・ヨル、イ・ドンリュル、イ・サンジュン、イ・アリム、チョン・ジェソン。
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