ケンブリッジ大学の資料写真[Pixabay]
BBCなどによると、ケンブリッジ大学は5日(現地時間)、アーデイ元教授の研究倫理違反の有無について公式調査に着手すると発表した。アーデイ元教授は大学の発表直後、辞意を表明した。
同氏は、自身を支援する市民団体「グッド・ロー・プロジェクト(Good Law Project)」を通じて発表した声明で、「執拗な疑惑の提起や憶測、公開の場での論評によって、私や私の愛する人々は深く傷つけられた」と述べ、辞任の意向を明らかにした。
アーデイ元教授は2023年2月、37歳でケンブリッジ大学史上最年少の黒人教授に任命され、大きな注目を集めた。幼少期に自閉症と全般的発達遅延と診断され、11歳まで言葉を話すことができず、18歳まで読み書きもできなかったが、それを乗り越えて名門大学の教授となった人物として知られていた。
体育教師を務めた後、リバプール・ジョン・ムーア大学で博士号を取得し、その後はダラム大学やグラスゴー大学などで教鞭を執った。教育分野におけるニューロダイバーシティ(神経多様性)と人種文化を主な研究テーマとしてきた。
同氏の学術的成果をめぐる疑惑は以前からたびたび指摘されていたが、最近になって本格的に表面化した。先月21日、ケンブリッジ大学の元研究員ネイサン・コフナス氏が盗用疑惑を提起したのに続き、同月24日には英紙タイムズが、アーデイ元教授の2015年の論文を分析した結果、2009年に発表された別の研究者の博士論文と同一、または極めて類似した文章が多数確認されたと報じた。
研究倫理をめぐる問題に加え、社会的活動の実績を誇張していたとの疑惑も浮上した。同氏は、慈善団体のために3日間で300マイル(約482キロメートル)を走り、500万ポンド(約10億円)を集めたと主張してきたが、こうした経歴の真偽についても疑問が呈されている。
アーデイ元教授は、盗用疑惑を全面的には否定しなかったものの、「私はうそつきではない」と主張した。また、自閉症と複数の学習障害があるにもかかわらず、十分な指導や支援を受けられなかったとし、さらに、ケンブリッジ大学着任後、自身を失脚させようとする組織的な動きがあり、その背景には人種差別や障害者差別があったとも訴えた。
今回の問題をめぐって英国では、学術的検証と多様性政策をめぐる議論も続いている。「グッド・ロー・プロジェクト」では、アーデイ元教授との連帯を呼びかけるオンライン署名活動が行われ、英国緑の党共同代表ザック・ポランスキー氏や労働党議員らを含む約1万2000人が署名した。
一方、学界では、研究者の人種や背景にかかわらず、学術的不正行為の疑惑は同じ基準で検証されるべきだとの意見が示されている。また、一部では今回の事態を契機に、大学は多様性を広報の手段として利用するだけでなく、研究環境や支援体制を実質的に改善すべきだとの指摘も出ている。
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