オランダのマキシマ王妃が今年2月、陸軍の予備役訓練中に射撃をしている。[写真 オランダ国防省のX]
欧州全域で安全保障の不安が強まる中、王室女性の軍服務が相次いでいる。ロシアの脅威に加え、北大西洋条約機構(NATO)を率いてきた米国のリーダーシップまでが揺らぐと、「自らの力で守る」という独自防衛論が強まった。
ロイター通信は、デンマークでイザベラ王女をはじめ新たな徴集兵1600人が3日(現地時間)に入隊したと報じた。イザベラ王女は近衛ユサール連隊に所属し、11カ月間にわたり無報酬で服務する予定だ。デンマークは2022年にウクライナ戦争が勃発した後、軍の義務服務期間を従来の4カ月から11カ月に延長した。さらに満18歳以上の女性に徴集対象を拡大した。
デンマークは現在5000人水準の年間徴集兵数を2033年までに7500人に増やす計画だ。今月末には初めて徴集兵をグリーンランドに派遣する。ロイター通信は「トランプ米大統領がグリーンランド併合の意志を繰り返し明らかにしている状況で、政治的に重要な意味を持つ配置だ」と評価した。
オランダでは今年2月、マキシマ王妃(54)が予備役の年齢上限(55歳)を1年後に控えた時点で陸軍の予備役に入隊し、拳銃射撃やロープ登り、行軍などの軍事訓練を受けた。ニューヨークタイムズ(NYT)は「米国の安保の傘に依存できないという認識が王室にまで広がった結果」と評価した。
2023年8月に陸軍士官学校に入学して軍事教育を受けたスペイン王位継承順位第1位のレオノール王女(21)は先月、3年間の教育課程を修了した。スペイン国防省は「立憲君主制の王位継承者は軍人としての経歴を持たなければならない」と説明した。
ノルウェーの王位継承順位第2位のイングリッド・アレクサンドラ王女(22)も昨年4月、15カ月間の軍服務を終えた。ベルギーでは2020年、王位継承順位第1位のエリザベス王女(25)が王立陸軍士官学校に入学して話題になった。王室は「食事の配給や掃除も他の士官候補生と同じようにした」とし「新型コロナ防疫対策のために個室を使用したことを除いて一切の特権を認めなかった」と明らかにした。
欧州の王室で軍服を着る女性が増えているのは単なる伝統の継承以上の意味がある。「国家を守る義務に例外はない」という象徴性のためだ。王室の率先垂範は国家政策の変化にもつながっている。クロアチアは今年3月、18年ぶりに徴兵制を復活させた。セルビアも15年ぶりとなる徴兵制の再導入を推進している。ドイツでは2011年に廃止した徴兵制の復活をめぐる議論が行われている。
女性に兵役義務を拡大する動きも増えている。ノルウェーは2015年から、スウェェーデンは2018年から、男女を同じ徴兵対象とする「男女平等徴兵制」を実施してきた。ラトビア、フィンランド、リトアニア、エストニアなども女性の義務服務の導入を検討中だ。一時はNATO(北大西洋条約機構)の恩恵を享受して軍縮や募兵制に向かっていた欧州が、王室から一般国民、男性から女性にいたるまで、国防の義務を拡大する方向に旋回している。ロイターは「ロシアの脅威や北極をめぐる安保環境の変化に対応するための国防力強化の一環」と分析した。
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