4日、米カリフォルニア州ロサンゼルス国際空港に到着するドナルド・トランプ米大統領。ロイター=聯合ニュース
トランプ大統領は予測不能性を前面に押し出し、衝撃と恐怖を与えた上で相手から譲歩を引き出す交渉戦略をたびたび用いてきた。しかし、最大限の圧力をかけた後、相手の強硬な対応を受けて後退することが繰り返され、「耐えていれば結局うやむやになる」という認識が広がっているという。
こうした変化を最も明確に示した事例として挙げられるのがイランだ。
トランプ大統領は2月末に対イラン軍事作戦を開始して以降、「文明の抹殺」などの強硬な表現を用いながら、イランに対して何度も最後通告とも受け取れる警告を発してきた。
3日にも「斬首前の最後の機会」として早期の合意を要求した。イラン指導部を狙った排除作戦に踏み切る可能性まで示唆し、圧力を一段と強めた。
しかし、トランプ大統領は過去にもイランを崖っぷちまで追い詰めた末に攻撃計画を撤回した前例があり、今回の警告も額面どおりに受け止める雰囲気は強くない。
11月の米中間選挙まで残り3カ月を切る中、トランプ大統領が戦線拡大に踏み切るのは容易ではないとの懐疑論も出ている。米国の兵器備蓄が急速に減少していることも、追加の軍事行動を制約する要因に挙げられている。
中国も昨年の関税戦争で、トランプ大統領による100%関税賦課の威嚇に屈しなかった。むしろレアアース輸出規制や米国産大豆の購入停止で対抗し、米国の弱点を突いた結果、トランプ大統領の後退を引き出した。
欧州でも同様の流れがみられる。トランプ大統領の再就任当初は、露骨なお世辞を言ってでも有利な結果を得るべきだとの雰囲気が強かったが、譲歩すればするほど要求が大きくなるだけだとの懐疑論が広がっている。
米紙ワシントン・ポストは4日、「トランプは脅し続けるが世界はもうひるまない」と題した分析記事で、各国がトランプ大統領の威嚇に徐々に慣れつつあると分析した。
ある欧州の外交官は、各国首脳は依然としてトランプ大統領に友好的な姿勢を示す意思はあるものの、同氏が求める実質的な譲歩に応じる意思は弱まっていると伝えた。
欧州議会の対米関係委員長ブランド・ベニフェイ氏は、トランプ大統領の繰り返される発表に人々が慣れたことで、もはやそれを深刻に受け止めなくなっていると述べた。
欧州外交評議会(ECFR)のジェレミー・シャピロ米国担当部長は、トランプ大統領のはったりがこれまで効果を発揮してきたのは、米国の圧倒的な力と長年にわたって蓄積された外交的資産に支えられていたためであり、トランプ大統領はそうした資産を消耗しつつあると分析した。
シャピロ氏は、国際社会がトランプ大統領を強圧的ではあるものの、相手の抵抗には簡単に萎縮する人物として認識し始めていると指摘した。
圧力を最大限まで高めた後、突然後退することが繰り返されたことで、トランプ大統領には「TACO」というあだ名まで付けられた。「Trump Always Chickens Out(トランプはいつも怖じ気づいて引き下がる)」の頭文字を取った表現だ。
ただし、トランプ大統領の威嚇を完全に軽視してはならないとの警戒論も依然としてある。
ある欧州の外交官は、トランプ大統領の政治的レトリックやはったりに即座に反応しなければ結局は脅しがうやむやになるケースが多いことに、各国は徐々に気づき始めていると評価した。その一方で、トランプ大統領が実際に対イラン軍事作戦を決断した例を挙げ、「トランプ氏が毎回怖じ気づいて引き下がるわけではない」と述べた。
この記事を読んで…