3日連続で急落したKOSPIが急騰し、過去最大の上昇率となった31日午後、ソウル中区のハナ銀行ディーリングルームの電光掲示板に終値が表示されている。 [ニュース1]
株価急落に腹を立てた個人投資家の想像力過剰な陰謀説程度と笑い飛ばしていたが、最近趙正湜(チョ・ジョンシク)国会議長の再任改憲関連発言に触れこの笑い話を思い出した。すべてのユーモアには現実の骨があるもの。ちまたの噂話には李在明大統領の司法リスク問題にばかり気をとられている与党に向けた冷笑が込められている。
7月の株価急落を全て単一銘柄レバレッジETFのせいにするのは行き過ぎた単純化と考える。事実世界の半導体株価も揺れ動いた。半導体ピーク論が提起された上に、息詰まる急変の背後に「シチュエーショナル・アウェアネス」と「シタデル」というウォール街のヘッジファンドのマネーゲームまであった。それでも政府に対する個人投資家の怨嗟の声が高いのはこれまで与党が株価上昇を政治的功績として自慢してきたためだ。
自身を大物個人投資家と紹介するほど株式に見識があった李大統領は、大統領選挙当時に、法改正と不公正取引の厳しい処断、「コリアディスカウント」の解消を通じて「KOSPI5000時台」を公約に掲げた。執権後も株式市場活性化を通じて不動産に偏る資金を資本市場に誘導するという国政基調を維持し、これは投資家に「家を売って株を買え」というメッセージと受け止められた。与党もKOSPIが指数区間を上回るたびに尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権時代の株価と比較し「李大統領の国政に対する信頼のおかげ」と自画自賛した。
しかし証券市場は政策当局の希望とは関係なく動くということを今回の急落市場が見せた。株式市場は無数の対外変数と人間の心理が交差する不確実性の空間だ。ラムズフェルド元米国防長官のあやふやな表現を借りるなら「わからないことすらわかっていないこと」が起きたのが株式市場だ。ここに単一銘柄レバレッジETFのような高リスク派生商品が変動性を拡大し個人投資家を地獄に追いやった。株価のような不確実の領域を政治功績の素材として活用しようとする試みは政治的に危険になるほかない。
しかも大統領の司法リスクをめぐる議論まで重なり市場は政府のあらゆる政策を政治的意図とつなげて疑い始める。こうした疑いをとんでもないものと一蹴しにくいのは最近の与党の動きのためだ。議員の公訴取り消しを求める集まり、公訴取り消し特別検事導入の試み、刑事訴訟法に突然挿入された裁判所の公訴棄却事由拡大に至るまで、一連の流れは政権の関心がどこにあるのかを如実に物語る。
経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスは「予測家には2種類がある。わからないということをわかっている人と、わからないという事実さえわからない人」と話した。ウォール街の投資家ハワード・マークスは「私はこのうち最初の種類」として未来がわかると大言壮語する投資家を警戒した。株価を国政の成果指標にするという発想自体が未来をわかると信じる傲慢から始まる。政策で証券市場浮揚を引き出すことができるという自信、そして株価を政治的好材料にしようとする試みがどれだけ愚かだったかを7月の市場が雄弁に物語った。「株価3000ポイント」を約束しながら世界的金融危機と中国経済鈍化という思いがけない変数を迎えて失敗した李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権の経験が思い起こされる。
政治がやるべきことは指数を約束するのではなく、枠組みと規則を作ることだ。市場は政府が応援すると上がる所ではなく、政治が動員すると動く所でもない。政治が株価を自身の広報の場にする瞬間、資本市場には有形無形のバブルが挟まる。政治家が楽しんだバブルの請求書は結局個人投資家に舞い込む。
イ・ヒョンサン/中央日報コラムニスト
この記事を読んで…