グラフィック=キム・ギョンジン記者
平日の通勤時間帯に、水原駅前で「ゾンビ」のように四つんばいではっていた今回の事件は、単なる個人の逸脱行為として片付けられる問題ではない。いつの間にか麻薬が毒キノコのように韓国社会の隅々にまで深く浸透し、国民の生活や健康を破壊している現状を象徴する出来事と見るべきだ。問題の深刻さは、最近こうした事件が相次いでいることにある。今年2月には、30代の女性が医療用麻薬であるプロポフォールに酔った状態でスポーツカーを運転し、ソウル・盤浦(パンポ)大橋の欄干を越えて漢江(ハンガン)公園に転落する事件もあった。中国製フェンタニルにむしばまれた米国と、一体何が違うというのか。
2021年以降、韓国国内の麻薬事犯は急増している。2023年に初めて2万人を突破し、その後3年連続で2万人を上回っている。警察庁国家捜査本部によると、今年3~6月に実施した麻薬犯罪集中取り締まりでは5203人を摘発し、このうち1039人を拘束した。摘発された麻薬事犯の約4割は、ソーシャルメディア(SNS)などオンラインによる非対面取引を通じて麻薬を流通、または購入していたことが分かった。今や麻薬は主婦や青少年など、老若男女を問わず幅広い層に広がっている。
韓国は長年、「麻薬清浄国」だった。1989年に大検察庁に麻薬課という専従捜査組織を設置し、組織的に麻薬犯罪の捜査と取り締まりを進めてきた。しかし2020年、文在寅(ムン・ジェイン)政権は検警捜査権調整を理由に、検察の麻薬捜査専従組織を縮小し、検察が直接捜査を開始できる範囲を一部の麻薬供給犯罪に限定したことで、麻薬捜査は大きく弱体化した。
警察庁は3日から12月まで麻薬犯罪の集中取り締まりを実施する。しかし、共に民主党による検察の補完捜査権の全面廃止により、10月からは検察は麻薬捜査からも手を引くことになる。国際協力が必要な麻薬捜査を、警察だけの力で十分に遂行できるのか疑問が残る。麻薬中毒者と麻薬犯罪は増える一方で、捜査能力は逆に弱体化する状況にあり、韓国が麻薬の温床となるのではないかとの懸念を抱かざるを得ない。
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