先月米国をはじめとする世界の証券市場を揺るがした張本人とされたレオポルド・アッシェンブレンナー氏。ウォール街は彼の過度な借入投資がAIハイテク株の急騰落を起こしたと指摘した。[ホームページ キャプチャー]
ドイツ出身のアッシェンブレンナー氏は19歳でコロンビア大学を経済学科数学・統計学専攻で首席卒業し、FTXフューチャーファンドとオープンAIなどで勤務経験を持つ人材だ。2024年に汎用人工知能(AGI)の到来とAIインフラのボトルネック現象を予想したエッセー「シチュエーショナル・アウェアネス」を発表し一気にスターダムに上がった。
ニューヨーク・タイムズによると、このエッセーはシリコンバレーで爆発的な反響を巻き起こし、大口の投資金が集まりファンド設立後に累積収益率は一時1000%を突破した。運用資産は一時450億ドルまで増えた。
問題は投資方式だった。SAは投資対象とレバレッジ限度を置かない戦略を取った。自己資本の3~4倍を超える貸付とオプションを動員しSKハイニックス米国預託証券(ADR)、ブルームエネルギーなどAIインフラ株に集中投資した。
しかし7月に入りAI技術株が急落すると莫大な損失を出した。金融機関の追証要求が相次ぐと現金調達に向けた強制売りが始まり、これは再び株価を引き下げる悪循環につながった。フィナンシャル・タイムズは「AIの未来は当てたが金融の過去は読み違えた」と指摘した。
彼の救援に出たのは世界的ヘッジファンドのシタデルだった。シタデルはSAが保有した約160億ドル規模の上場株式ポートフォリオを割引された価格で買収した。今回の取引で市場を押さえ付けた強制売り圧力が解消され投資心理が大きく回復したという評価が出ている。ウォール・ストリート・ジャーナルは「韓国をはじめとする世界的AIハイテク株反騰の背景のひとつになった」と伝えた。
フィナンシャル・タイムズは今回の取引を「ウォール街史上最も大きく最も速やかになされた株式ポートフォリオ取引のひとつ。だれもがいつも次の『黄金の子』を探そうとする」というあるヘッジファンド役員の言葉を伝えた。
くしくも彼が最大の危機を迎えたのは結婚式を2日前に控えた時だった。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アッシェンブレンナー氏は米カリフォルニア州で数日にわたる結婚式を準備しながら祝賀客が到着する間にウォール街の投資会社と夜通しで資産売却交渉を継続した。フィナンシャル・タイムズは「交渉は午前0時を超えて続き、翌日明け方にシタデルが取引をまとめた」と伝えた。彼の新婦は過去FTXフューチャーファンドで一緒に働き、現在AI企業アンソロピック最高経営責任者(CEO)のダリオ・アモデイ氏の秘書室長であるアビタル・バルウィット氏だ。
交渉直後の先月30日、彼が投資家に送った書簡は「今月私たちがみなさんを失望させました」という文章から始まった。続けて「ポートフォリオをリスク基準内で運用しようとしたが市場が予想より速く不利に動き流動性まで干上がった。脆弱性がさらに大きな脆弱性を生んだ」と説明した。彼は借入投資をすべて整理し、これからは銀行からの借入なく運用すると明らかにした。
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