◆計量化が難しい転換条件
戦作権転換の条件は、大きく分けて「韓国軍の連合防衛指揮能力の確保」「北朝鮮の核・ミサイル脅威への同盟の包括的対応能力の確保」「韓半島および地域における安定的な安全保障環境の構築」だ。いずれも計量化された客観的な評価が難しい「定性的な要素」ばかりだ。さらに詳細な評価基準や方法においても互いに意見が異なる。評価は基本運用能力(IOC)、完全運用能力(FOC)、完全任務遂行能力(FMC)の3段階を経て行われる。第1の条件は、米国の先端指揮統制体系にいかに編入するかの問題だ。
米国は陸・海・空軍を一つにした「多領域指揮統制体系(JADC2)」で世界全域に展開する戦力を統合運用している。わが国も戦作権の転換に備え、2015年に韓国型指揮統制体系(AKJCCS)を完成させた。その後、人工知能(AI)技術を組み込んだ次世代指揮統制体系(KCCS)を開発中だが、米国は能力やセキュリティ上の理由から連動を拒否している。このため米国が提供する連合戦力をわが国が指揮統制するのには限界がある。北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応した核心的な戦力を運用できないという意味だ。どのレベル、どの時点で米国が連携を承認するかは不透明だ。第2の条件は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応した「3軸体制(キルチェーン、韓国型ミサイル防衛、大量反撃報復)」と拡張抑止(核の傘)戦略の実効性の問題だ。従来の通常兵器を利用した3軸体制には根本的な限界があるというのが大半の意見だ。
◆核抑止力と反撃報復手段の確保が先
米国が提供する核兵器を利用した「拡張抑止(核の傘)」戦略も懐疑的だ。米国大統領が持つ核兵器の最終使用権限も実効性を期待するのが難しいからだ。結果的に独自の核能力なしには満たせない条件だ。
ますます露骨化する「韓米日v朝中ロ」の対立構図も、戦作権転換条件において否定的な要素だ。ここに台湾有事まで重なれば状況はさらに厳しくなる。台湾有事は韓半島での紛争と同時に発生する可能性が高いからだ。したがって現時点で計量化が困難な戦作権転換の条件を「軍事的に満たした」と見なすのは無理がある。戦作権の転換は結局「時期」であれ「条件」であれ政治的・政策的な判断に委ねざるを得ない。北朝鮮の非核化や韓国軍独自の核抑止力などを考慮した、より強力な条件を構築するべきだったという悔いが残る。
感情論や主権者意識を考慮すれば、戦作権の転換は早ければ早いほどよい。しかし一度攻撃を受ければ取り返しのつかない事態となるのが北朝鮮の核とミサイルの脅威である。それだけに、これを抑止し、反撃・報復できる手段を「まず確保すること」が先だ。
そうでなければ、最悪の場合、国を失う危機に直面しかねない。安全保障において冒険は許されない。韓米同盟においては政治・外交的要素に劣らず、軍事的対応態勢の完備が最優先されなければならない。感情や意欲を排除した冷徹な決断が求められる時だ。
崔潤喜(チェ・ユンヒ)海洋連盟総裁/元合同参謀議長
【韓半島平和ウォッチ】戦作権転換の本当の条件は韓米連合防衛と北核抑止だ(1)
戦作権転換の条件は、大きく分けて「韓国軍の連合防衛指揮能力の確保」「北朝鮮の核・ミサイル脅威への同盟の包括的対応能力の確保」「韓半島および地域における安定的な安全保障環境の構築」だ。いずれも計量化された客観的な評価が難しい「定性的な要素」ばかりだ。さらに詳細な評価基準や方法においても互いに意見が異なる。評価は基本運用能力(IOC)、完全運用能力(FOC)、完全任務遂行能力(FMC)の3段階を経て行われる。第1の条件は、米国の先端指揮統制体系にいかに編入するかの問題だ。
米国は陸・海・空軍を一つにした「多領域指揮統制体系(JADC2)」で世界全域に展開する戦力を統合運用している。わが国も戦作権の転換に備え、2015年に韓国型指揮統制体系(AKJCCS)を完成させた。その後、人工知能(AI)技術を組み込んだ次世代指揮統制体系(KCCS)を開発中だが、米国は能力やセキュリティ上の理由から連動を拒否している。このため米国が提供する連合戦力をわが国が指揮統制するのには限界がある。北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応した核心的な戦力を運用できないという意味だ。どのレベル、どの時点で米国が連携を承認するかは不透明だ。第2の条件は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応した「3軸体制(キルチェーン、韓国型ミサイル防衛、大量反撃報復)」と拡張抑止(核の傘)戦略の実効性の問題だ。従来の通常兵器を利用した3軸体制には根本的な限界があるというのが大半の意見だ。
◆核抑止力と反撃報復手段の確保が先
米国が提供する核兵器を利用した「拡張抑止(核の傘)」戦略も懐疑的だ。米国大統領が持つ核兵器の最終使用権限も実効性を期待するのが難しいからだ。結果的に独自の核能力なしには満たせない条件だ。
ますます露骨化する「韓米日v朝中ロ」の対立構図も、戦作権転換条件において否定的な要素だ。ここに台湾有事まで重なれば状況はさらに厳しくなる。台湾有事は韓半島での紛争と同時に発生する可能性が高いからだ。したがって現時点で計量化が困難な戦作権転換の条件を「軍事的に満たした」と見なすのは無理がある。戦作権の転換は結局「時期」であれ「条件」であれ政治的・政策的な判断に委ねざるを得ない。北朝鮮の非核化や韓国軍独自の核抑止力などを考慮した、より強力な条件を構築するべきだったという悔いが残る。
感情論や主権者意識を考慮すれば、戦作権の転換は早ければ早いほどよい。しかし一度攻撃を受ければ取り返しのつかない事態となるのが北朝鮮の核とミサイルの脅威である。それだけに、これを抑止し、反撃・報復できる手段を「まず確保すること」が先だ。
そうでなければ、最悪の場合、国を失う危機に直面しかねない。安全保障において冒険は許されない。韓米同盟においては政治・外交的要素に劣らず、軍事的対応態勢の完備が最優先されなければならない。感情や意欲を排除した冷徹な決断が求められる時だ。
崔潤喜(チェ・ユンヒ)海洋連盟総裁/元合同参謀議長
【韓半島平和ウォッチ】戦作権転換の本当の条件は韓米連合防衛と北核抑止だ(1)
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