昨年11月、ウクライナ・キーウで展示されたイラン製シャヘド・ドローンに触れるウクライナ市民。ロイター=聯合ニュース
イラン外務省は同日未明、ウクライナのドローン攻撃によりカスピ海に停泊していたイラン商船で爆発が起き、乗組員1人が死亡、1人が負傷したと発表し、「武力行使を禁じた国連憲章第2条に違反する侵略行為だ」と反発した。アッバス・アラグチ外相は26日、X(旧ツイッター)に「(今回の攻撃は)イスラエルが扇動したもの」と投稿し、「蛮行の代償を払わせる」と警告した。
一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、イランとロシアの軍事協力を遮断するための攻撃だったと説明した。ゼレンスキー大統領はXに「カスピ海におけるロシア軍艦とイラン関連の軍事貨物輸送に使われる船舶を攻撃した」と投稿した。ロシア外務省は、被害を受けた船舶はロシア南部アストラハンからイランへ向かう途中で攻撃を受けたと明らかにしたが、ロシアの軍需物資を積載していたかどうかは公表しなかった。
それぞれロシア、米国との戦争に全力を注いでいるウクライナとイランだが、互いに対する見方は厳しい。関係が歪んできたのは、2022年にウクライナ戦争が始まってからだ。ウクライナは、イランがロシアに供与した数万機のシャヘド・ドローンが自国領土への攻撃に使われたと主張している。ロシア製ドローン「ゲラン2」も、イランの部品供給を受けて2023年からロシアが独自生産している「ロシア版シャヘド」だ。
イランにとっても、ウクライナは目障りな存在となっている。米国が今年4月、イランによるホルムズ海峡封鎖への対抗措置として「逆封鎖」に踏み切ったことで、イランはペルシャ湾経由での物資調達が難しくなった。その代替ルートとして浮上したのがカスピ海だ。米紙ニューヨーク・タイムズは、「これまで黒海経由で毎年イランに輸出されていたロシア産小麦200万トンが、現在はカスピ海経由で輸送されている」と伝えた。中央アジアを経由してイランに入る中国製品の輸送路もカスピ海となっている。
ウクライナが射程1500キロ以上の長距離ドローンでカスピ海への攻撃を継続すれば、イランにとって致命的な打撃となる可能性がある。アルジャジーラは「カスピ海まで攻撃を受ければ、イランは戦争を継続する余力を失うことになる」と分析した。
イランは報復を宣言しているが、両国は地理的に離れているうえ、米国との戦争を続ける中で戦線を拡大する余力も乏しい。このため、中東に展開するウクライナのドローン関連拠点などを攻撃することが現実的な選択肢として挙げられている。
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