日本語翻訳版『未来のいるところ』の表紙。[写真 里山社]
本作は、2024年に韓国の出版社チャンビの中編シリーズ〈小説Q〉の一冊として刊行された作品。1996年生まれの若者たちを主人公とし、友人の突然の死をきっかけに、それぞれが喪失や孤独、不安と向き合う姿を描く。20代後半を迎える登場人物は、セウォル号沈没事故や梨泰院雑踏事故など、韓国社会に深い傷を残した出来事を同世代として経験した、いわゆる「セウォル号世代」だ。物語は、社会に刻まれた記憶と個人の痛みを重ね合わせながら、傷を抱えたまま他者とつながり、「今」を生き続ける若者の姿を映し出す。
著者のムン・ジニョンは1987年、江原道春川市生まれ。2009年に第3回チャンビ長編小説賞を受賞してデビューし、約10年の空白を経て発表した短編「ふたつの部屋」で再び注目を集めた。訳者のキム・ソヨンは済州島出身。韓国文学翻訳院翻訳アトリエで学び、本書が初の邦訳書となる。
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