17日(現地時間)、米中央軍(CENTCOM)がイランの戦略軍事施設を精密攻撃したとして公開した映像。AFP=聯合ニュース
ヨルダンはクウェートとは異なりイランから比較的離れているが、むしろそのことが標的の理由となった可能性がある。米国は今回の戦争期間中、バーレーン、UAE、カタールに配備していた一部戦力をヨルダンとイスラエルへ移した。湾岸諸国が米軍運用に消極的な姿勢を示す中、イランから離れ、米軍運用上の制約も少ないヨルダンが安全な後方基地として浮上したためだ。
標的としての価値が高まったヨルダンを、イランは見逃さなかった。特に17日にはムワッファク・サルティ空軍基地を攻撃し、米兵2人が死亡、4人が負傷、1人が行方不明となった。双方の戦闘再開後、イランの直接攻撃による米兵の死亡が確認されたのはこれが初めてだった。攻撃はその後も続いた。IRGCは20日、紅海に面したヨルダン南部アカバ国際空港に駐留する米軍機を弾道ミサイルで攻撃したと主張した。
攻撃は22日にも続いた。IRGCは同日、「ヨルダン国内のキング・ファイサル空軍基地とプリンス・ハッサン空軍基地を攻撃した」とし、「今回の攻撃で米軍F-15戦闘機の出撃準備用格納庫が被弾し、とりわけ無人機格納庫への攻撃により、まだ梱包も解かれていない出撃前の新型MQ-9無人機8機が完全に破壊された」と主張した。また、屋外に駐機していた無人機2機や格納庫内の大型ヘリコプター2機も大きな被害を受け、米軍部隊の駐留施設への攻撃で多数の死傷者が発生したと付け加えた。IRGCは「今回の攻撃は米国の空爆に対する合法的な報復だ」とし、「米軍は軍事・民間施設を繰り返し攻撃した結果、圧倒的な報復に直面することになった」と強調した。
イランがヨルダンには報復能力が乏しい点を狙ったとの分析もある。実際、ヨルダンにはイラン本土を攻撃できる長距離打撃能力はない。
◇第5艦隊からアマゾン(Amazon)まで…バーレーンのシーア派世論に食い込むイラン
バーレーンも米海軍第5艦隊司令部が置かれていることから、開戦後はたびたびイランの標的となった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、2月末から6月まで続いた攻撃で、第5艦隊では少なくとも12棟の建物と2カ所の衛星通信施設が大きく損傷した。
バーレーンにおけるイランの攻撃対象はデジタルインフラにも拡大している。IRGCは21日の声明で、「複数の巡航ミサイルにより、バーレーンにある米企業アマゾンの中央データインフラを破壊した」と主張した。
イランがバーレーン国内の分断を狙っているとの分析もある。バーレーンは国民の多数がシーア派だが、権力はスンニ派王家が握っている。イランとしては、バーレーンの脆弱な統治構造に加え、シーア派という宗派上の共通性も利用すれば、国内の反政府・反米感情をあおることは難しくないと判断している可能性がある。開戦後、シーア派住民地域でイランに連帯するデモが続き、当局が鎮圧に乗り出したことも、こうした見方を裏付けている。
結果として、米軍を受け入れた代償を周辺国に強く印象づけ、米国との距離を広げさせようとする狙いがあるとの見方もある。アルサイフ教授はFTに対し、「イランが狙っているのはクウェートという特定の国ではなく、一つのモデルとしての湾岸地域だ」と述べた。
「友人だと思っていたのに…」弱い国ばかり狙うイランの「弱い者いじめ」戦略(1)
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