CJ大韓通運の関係者が6月、インドネシア・スラバヤのジュアンダ国際空港で、韓国航空宇宙産業(KAI)の練習機「T-50i」の胴体の下ろしている。T-50iは胴体、主翼、垂直尾翼、エンジンなどの主要部品に分解された状態でインドネシアに輸送され、現地で再組み立てされた。 [写真CJ大韓通運]
戦闘機や戦車、ヘリコプターなどの防衛装備品を世界各地に輸送する「K(韓国)防衛物流(K-Defense Logistics)」が注目されている。K防衛産業の輸出が拡大する中、これを支える特殊物流の重要性も高まっているからだ。韓国輸出入銀行は国内防衛産業の輸出額が2030年までに340億ドル(約5兆5500億円)に達すると見込んでいる。
防衛産業の物流は一般貨物の輸送とは次元が異なる。国家安全保障に直結するため高度なセキュリティー確保はもちろん、国ごとの通関手続きや各種認可、輸送ルートの設計にいたるまで、輸送の全工程を緻密に管理しなければならない。業界関係者は「輸送の難易度が非常に高く、物流業界でも容易には参入できない高付加価値分野」と話す。
CJ大韓通運は2005年から防衛物流市場に参入し、専門性を高めてきた。これまで欧州、中東、アフリカ、アジアなどに戦闘機や戦車、ヘリコプターなど約100件の防衛装備品を輸送している。また、航空・海上・陸上輸送を組み合わせた複合輸送能力を基盤に、出発地から最終目的地までの「E2E(End-to-End)物流体系」を構築した。陸上輸送では貨物への衝撃を抑えるため、現地政府の許可を得て道路標識や送電線を一時的に移設したり橋梁を補強したりする作業も行う。
同社の強みは「モジュール型輸送」にある。例えば、戦闘機を胴体や主翼、エンジンなどの主要部品に分解して輸送し、現地で再び組み立てる方法だ。同社によると、この方法で戦闘機を自力飛行させる場合に必要となる各国の領空通過許可や空中給油などのさまざまな制約を減らし、輸送の安全性と効率性を高めることができるという。
こうした輸送は不測の事態への対応が求められるという点で「軍事作戦」を思わせる。2020年にイラクに超音速高等練習機「T-50IQ」24機を輸送した当時、反政府デモのため国際海上物流の要衝ウンム・カスル港が封鎖された。CJ大韓通運は銃声が響く現場でも軍の警護を受けながら防弾装備を着用し、荷役作業と陸上輸送を完遂した。
2023年に戦闘機と訓練装備をポーランドに輸送した際には、新たな輸送ルートを設計しなければならなかった。一部の部品が特定国の領空を通過できなかったため、最短ルートではなく太平洋を横断して北米を経由する航路を選択したのだ。CJ大韓通運グローバル第1本部のチャン・ヨンホ本部長は「防衛産業物資の輸送環境を綿密に分析し、ルートの設計から不測の事態への対応、実行までを一体的に行っている」とし「韓国防衛産業の輸出を支える物流競争力をより一層強化していく」と話した。
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