16日(現地時間)、ウクライナ・キーウで、自身の解任発表後に記者会見するミハイロ・フェドロフ国防相。AP=聯合ニュース
19日(現地時間)、現地メディア「ウクライナ・プラウダ」などによると、16日にミハイロ・フェドロフ国防相(35)が解任されて以降、3日連続で首都キーウをはじめオデーサ、リビウなど各地で解任に反対する集会が相次いで開かれた。
18日夕方には、キーウの大統領府近くにあるイワン・フランコ広場で、市民最大1万人が参加する集会が開かれた。参加者らは「私たちの選択はフェドロフだ」などと声を上げ、フェドロフ氏の国防相復帰を求めた。軍内部でも、パブロ・イェリザロフ空軍副司令官がフェドロフ氏解任直後に辞表を提出するなど、一部で反発が起きている。
1991年生まれのフェドロフ氏は、ウクライナにおけるドローン戦の象徴であり、改革派を代表する人物と評価されている。ITマーケティング企業の創業者だった同氏は、ウォロディミル・ゼレンスキー政権発足直後の2019年、28歳でデジタル転換相兼副首相に任命された。
今年1月に国防相に就任して以降は、ドローンやロボットなどの無人装備によってロシア軍の兵力優位を相殺する新たな国防戦略を推進した。また、無人装備に前線への補給や負傷兵の後送などの任務を担わせ、兵士の戦場での危険や人的被害を減らす構想も進めてきた。ロイター通信は「フェドロフ氏の在任期間中、ウクライナの戦況は目に見えて改善した」と評価した。米戦略国際問題研究所(CSIS)は「ウクライナは戦争開始から3年で、無人システムを中心とする機動的で競争力のある国防技術エコシステムを構築した」と分析した。
しかし、こうした路線をめぐり、オレクサンドル・シルスキー軍総司令官(60)との対立が深まった。シルスキー氏はソ連軍とウクライナ軍で機械化歩兵部隊を歴任した野戦指揮官出身で、機甲部隊や砲兵など地上戦における従来型火力を重視する軍人だ。2022年の開戦直後にはロシア軍によるキーウ占領阻止やハルキウ大反攻を指揮するなど、複数の地上戦を成功に導いた。
このため軍内外では、両者の対立をドローン戦と従来型地上戦という軍事路線の衝突と見る向きが少なくない。
特にフェドロフ氏がシルスキー氏ら軍首脳部に対し、軍の腐敗改革を迫ったことで対立は激化した。フェドロフ氏は解任直後の記者会見で「シルスキー氏は技術中心の軍改革を妨げ、軍内部の官僚主義と改革への抵抗を放置した」と公然と批判した。AP通信やロイター通信など海外メディアは、これを「新世代の改革派と伝統的な軍首脳部との衝突」と分析した。これに対しシルスキー氏は、フェドロフ氏解任当日にテレグラムに「今は戦争に集中すべき時だ」と投稿した。事実上、改革に反対する立場を示したものと受け止められている。
ゼレンスキー大統領も16日の記者会見で、「軍首脳部(シルスキー氏)と国防省指導部(フェドロフ氏)は、大統領がいなければ交渉のテーブルに着かない」と述べ、両者の対立を認めた。結局、フェドロフ氏を解任することでシルスキー氏を選択した形となった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「戦時下の軍指揮系統の混乱を懸念し、ゼレンスキー氏は苦渋の決断を下した」と指摘した。
ただ、フェドロフ氏解任後は軍内外でシルスキー氏への批判や解任を求める声が高まっており、ゼレンスキー大統領はシルスキー氏の更迭も検討している。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は18日、「ゼレンスキー大統領は在任中最大の軍指導体制の危機に直面している」と報じた。FTによると、ゼレンスキー大統領は先週末、シルスキー氏の後任候補らと面談したという。
ロシアとウクライナの武力衝突はこの日も続いた。19日、ロイター通信によると、ロシアは同日、キーウに向けてミサイル41発を発射した。ロイター通信は「今回の戦争で最大規模の弾道ミサイル攻撃の一つ」と伝えた。ウクライナ軍は41発のうち18発を迎撃したという。
20日付の英紙ガーディアンによると、これに対しウクライナはロシアの石油貯蔵施設3カ所と黒海のタンカー3隻を攻撃した。
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