米民主党のチャック・シューマー上院院内総務が先月23日の会見でトランプ政権の対イラン戦争が莫大な費用を招いていると批判している。[写真 EPA=聯合ニュース]
上院はこの日、国防権限法案の本会議審議を始めるための手続きに向けた採決を実施したが、賛成50票、反対46票で可決に必要な60票を確保できず否決された。出席した民主党議員が全員反対票を投じた結果だ。
国防権限法は国防総省の予算支出と政策を承認する年次法案で、下院と上院を通過した後、両院の調整過程を経た単一最終案を再度採決にかける手続きを踏む。実際の予算を配分する歳出法案とは異なるが、毎年議会審議と採決通過が必要な代表的な超党派的法案に挙げられる。
今年の国防権限法案は過去最大となる1兆1500億ドル(約186兆円)規模の国防予算を含んでいる。軍艦、戦闘機、ミサイルシステム導入から軍給与引き上げ、地政学的脅威対応案に至るまで米国の国防政策全般が包括的に盛り込まれている。2万8500人水準である在韓米軍の規模調整や戦時作戦統制権転換手続きと関連して議会と協議を経ていない予算執行を制限するなど監督を強化する内容も含まれた。
だが民主党は最近再開された米国のイラン空爆と関連し大統領の軍事行動を制限する条項が含まれない限り法案処理に協力できないという立場を固守した。民主党のチャック・シューマー上院院内総務はこの日の採決に先立ち、「国防権限法がイランで起きている無謀な行動の免罪符になってはならない。トランプ大統領は終わらせる方法も説明できない戦争に米国をさらに深く引き込んだ後、議会に目をそらせと要求できない」と話した。
共和党は民主党が国家安全保障を政治争点化していると批判した。共和党のジョン・チューン上院院内総務は法案に3.6%の軍給与引き上げ、ドローン戦力強化、造船業投資拡大などが含まれているとして早急な処理を促した。
今回の採決結果は今後の与野党間予算交渉がさらに難航する可能性を示唆するとの分析が出ている。民主党は1兆ドルを超える国防支出拡大は民生予算より軍関連予算を優先視するものだと批判する。
トランプ大統領は今回の国防権限法に含まれた1兆1500億ドルとは別に、予算調整手続きを通じて議会に3500億ドルの追加国防予算を要請した状態だ。ここにトランプ大統領が最近イランへの空爆を再開し再び長期戦になるだろうとの懸念が出ている中東軍事作戦費用も鋭い争点だ。ホワイトハウスはイラン戦争遂行費用として別に670億ドルの追加予算も議会に要請した。
民主党は過去最大規模の国防権限法案を承認する場合、2月28日に始まったイラン戦争に議会が同意したものと受け取られかねないと懸念している。ニューヨーク・タイムズは国防権限法案手続き採決が上院で否決されたことに対し「ほとんど常に超党派的支持を受けて通過した国防権限法が、トランプ大統領が議会承認なく始めたイラン戦争をめぐり政治的激戦地になったことを見せている」としながら上院指導部がいつどんな条件で再び法案審議に着手するのか不確実な状況だと指摘した。
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