2014年7月、筆者の最初の「中央時評」の見出しは「統一小バクのない大バク(=大当たり)論は『統一賭博』だ」だった。民間主導の経済協力を通じて北朝鮮の市場活動を促す「小バク」が前提となってこそ「大バク」も可能だとして、当時の政府の統一政策を批判した。その後1年半にわたり韓国の積極的な関与を主張するコラムを連日掲載した。しかし2016年1月上旬、北朝鮮は4回目の核実験を強行した。その直後のコラムで私は北朝鮮経済を標的にした制裁を提案し、3月には国連安全保障理事会の最初の経済制裁よりも強力な制裁案を提示した。すると、保守陣営を代表するある知識人は亡くなられる前、「ようやくキム教授が目を覚ました」と言って喜ばれていたという。一方、進歩陣営の有力政治家は、戦争を防ぐための最も平和的な対抗策が経済制裁という私の説明に対し「制裁は進歩の価値観に合わない」と厳しく叱責した。私は新たな証拠に基づいて従来の判断を修正する、いわゆる「ベイジアン更新(Bayesian updating)」をしたにすぎないのだが、一部の人々はこれを理念レベルで受け止めた。
最近、米戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ氏も「ベイジアン更新」を試みた。対北強硬派として知られるチャ氏は最近『フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)』誌への寄稿で、非核化の代わりに「核リスク管理」へと政策目標を修正することを提案した。制裁は失敗に終わり、ほかに政策手段がない状況において、北朝鮮の核の高度化と朝中ロの密着という厳然たる現実を認めるべきという論理だ。「冷たい平和」という次悪を選択してでも全面的な核戦争という最悪の事態を防ぐべきという忠告だ。また、米国は戦力運用の効率化のために必要としている在韓米軍の削減を北朝鮮との交渉のテコとして活用するべきだと主張する。専門家は新たな事実が明らかになれば自らの考えを変える「知的な勇気」を持たなければいけない。こうした点でビクター・チャ氏の姿勢は目を引く。
しかしチャ氏のベイジアン更新は「北朝鮮内部」という重要な証拠を見落としている。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は2012年の最初の公開演説で「人民が二度とベルトを締めつけないようにする」と公言した。しかしこの約束は無残にも失敗に終わった。韓国銀行(韓銀)の北朝鮮成長率推計値によると、2024年の国民所得は2012年の99%にすぎない。これも市場活動を反映できない推計方式の限界を考慮すると誇張された数値だ。北朝鮮の成長エンジンである市場活動は経済制裁やコロナ禍に加え、現在は政権の抑圧的な政策のためかなり冷え込んでいる。経済制裁以前に月平均50ドルほど稼いでいた家計は現在30ドル前後しか稼いでいないとみられる。2023年以降の成長もロシア特需によって武器生産が増加した結果であり、住民の厚生にはそれほど寄与していない。したがって現在の北朝鮮住民による金正恩支持率は執権初期よりも大きく低下しているはずだ。成績に例えるなら金正恩委員長は「核」の科目ではA、しかし「経済」の科目ではDを受けた。にもかかわらず米国の専門家らは「核」の科目の点数だけを更新している。
【中央時評】北朝鮮専門家のベイジアン更新=韓国(2)
最近、米戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ氏も「ベイジアン更新」を試みた。対北強硬派として知られるチャ氏は最近『フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)』誌への寄稿で、非核化の代わりに「核リスク管理」へと政策目標を修正することを提案した。制裁は失敗に終わり、ほかに政策手段がない状況において、北朝鮮の核の高度化と朝中ロの密着という厳然たる現実を認めるべきという論理だ。「冷たい平和」という次悪を選択してでも全面的な核戦争という最悪の事態を防ぐべきという忠告だ。また、米国は戦力運用の効率化のために必要としている在韓米軍の削減を北朝鮮との交渉のテコとして活用するべきだと主張する。専門家は新たな事実が明らかになれば自らの考えを変える「知的な勇気」を持たなければいけない。こうした点でビクター・チャ氏の姿勢は目を引く。
しかしチャ氏のベイジアン更新は「北朝鮮内部」という重要な証拠を見落としている。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は2012年の最初の公開演説で「人民が二度とベルトを締めつけないようにする」と公言した。しかしこの約束は無残にも失敗に終わった。韓国銀行(韓銀)の北朝鮮成長率推計値によると、2024年の国民所得は2012年の99%にすぎない。これも市場活動を反映できない推計方式の限界を考慮すると誇張された数値だ。北朝鮮の成長エンジンである市場活動は経済制裁やコロナ禍に加え、現在は政権の抑圧的な政策のためかなり冷え込んでいる。経済制裁以前に月平均50ドルほど稼いでいた家計は現在30ドル前後しか稼いでいないとみられる。2023年以降の成長もロシア特需によって武器生産が増加した結果であり、住民の厚生にはそれほど寄与していない。したがって現在の北朝鮮住民による金正恩支持率は執権初期よりも大きく低下しているはずだ。成績に例えるなら金正恩委員長は「核」の科目ではA、しかし「経済」の科目ではDを受けた。にもかかわらず米国の専門家らは「核」の科目の点数だけを更新している。
【中央時評】北朝鮮専門家のベイジアン更新=韓国(2)
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