昨年8月22日、ドナルド・トランプ米大統領がホワイトハウスで演説する中、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長がトランプ大統領を見つめている。AP=聯合ニュース
FIFA会長も、自身は懲戒委員会の決定とは無関係だと抗弁している。しかし、トランプ大統領が事実上、FIFAの懲戒処分の執行猶予の決定に介入したことが明らかになり、政治との厳格な分離を掲げてきたFIFAに対する非難が強まっている。
◇審判でもないのに…「あれはファウルではなかった」
トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスで開かれた「トランプ貯蓄口座」発足式で、「ジャンニ・インファンティーノFIFA会長との電話について説明してほしい」との質問に対し、「その通りだ。私はジャンニと話した」と述べ、自ら退場処分に伴う出場停止の撤回を求めたことを認めた。
トランプ大統領は当時のファウル判定について、「あれはファウルではなく、重大な反則ですらなかった。全力で走っていた2人の選手が偶然ぶつかっただけだ」と述べ、主審の判定は誤審だったと主張した。
さらに、「走りながら意図的に足を上げ、相手の足に正確に乗せることなどできない」と述べ、バログンがレッドカードを受けた場面は故意ではなかったとの見方を繰り返した。
米国代表ストライカーのバログンは2日、米サンフランシスコで行われた米国対ボスニア・ヘルツェゴビナのW杯決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)で、試合中に相手選手の足首を踏みつけてレッドカードを受けた。そのため、次戦となる6日のベルギーとの決勝トーナメント2回戦には出場できないことになっていた。
しかしFIFAは、バログンに科された出場停止処分の執行を1年間猶予すると通知した。FIFAの決定に先立ち、トランプ大統領がインファンティーノ会長と電話会談したことが米メディアで報じられ、FIFAがトランプ大統領の圧力に屈して公平性を失ったとの指摘が出ていた。
◇政治介入との批判にも…「私は何の関係もない」
トランプ大統領は、自国選手にレッドカードを提示した主審に対する個人攻撃も展開した。
トランプ大統領は「(審判の)過去の経歴を調べれば、かなり疑わしい。論争を招きたくないので詳しくは言わないが、本当に疑わしい。望むなら過去の記録を示すこともできる。誰も信用できない判定をした人物だ」と主張した。
さらに、「(バログンが)次の試合に出られないと聞いた時、『これは大変だ』と思った。最高の選手、あるいはそれに匹敵する選手を奪って『出場できない』というのは極めて不公平だ」と述べ、「だから私はFIFAに再検討を要請した」と説明した。
そして、「もし(バログンが出場停止のままで)彼ら(ベルギー)が勝ったなら、私は2020年大統領選のように操作されていたと言うだろう」と語った。
トランプ大統領は「政治がサッカーに介入した前例になった」との指摘について、「よく分からない」と責任を回避し、「私に言えるのは『私は(FIFAの決定とは)何の関係もない』ということだけだ。私は『再検討すべきであり、あの選手には何の落ち度もない』と言っただけだ」と答えた。
◇FIFA会長も責任回避…「決定したのは懲戒委員会」
トランプ大統領から「決定の見直し」を求められたインファンティーノFIFA会長も、責任を回避するような立場を示した。
インファンティーノ会長はこの日、FIFAメディアのX(旧ツイッター)への声明で、「FIFAの司法機関である懲戒委員会は独立して運営されている」とし、自身とは無関係だと主張した。
また、トランプ大統領との電話については、「私は米国大統領とW杯に関する事項を定期的に協議しており、今回も電話を受けた」としながらも、「その際、FIFAの独立した司法機関が法的手続きを進めており、この案件は権限を持つ機関が適正な手続きを経て決定することになると説明した」と述べた。
さらに、「私はFIFA懲戒委員会の発表があれば、その決定を読む。賛成することもあれば反対することもあるが、常にその決定と決定機関の独立性を尊重している」と付け加え、自身は出場停止執行猶予の決定には関与していないと強調した。
<北中米W杯>「退場処分の再検討を要請」は認めるも…トランプ氏「私は覆したこととは無関係」と言い逃れ(2)
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