5月14日、イラクから運ばれた原油が貯蔵されているシリア・バニヤスの石油ターミナルの様子。ロイター=聯合ニュース
6日午後1時時点で、米国産標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)8月物は前営業日比0.6%安の1バレル=68ドル台、北海ブレント原油9月物は0.7%安の71ドル台で取引された。今年3月の中東戦争時に付けた取引時間中の最高値と比べると、それぞれ約43%、40%低い水準だ。
国際原油価格を押し下げたのは供給拡大への期待だ。まず、米国・イラン終戦了解覚書(MOU)の締結後、戦争中に輸送が滞っていた6000万バレル以上の原油が一斉に市場へ供給された。さらにOPEC+は5日(現地時間)、8月から日量18万8000バレルを増産することを決定した。サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)は迂回パイプラインも活用して輸出量を増やしており、クウェートも生産回復を加速させている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ホルムズ海峡を通過するタンカーは1日30~60隻まで回復した。海運分析会社ボルテクサ(Vortexa)は、6月の原油輸出量が日量平均470万バレルとなり、5月の2倍を上回ったと集計した。シティグループは「多くの船舶が安全保障上の理由から船舶自動識別装置(トランスポンダー)を無効化しているため、海峡を通過する実際の船舶数は公式データより多い可能性が高い」と指摘した。
市場では慎重ながら供給過剰への懸念が出始めている。フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、シティグループはブレント原油価格が年末までに1バレル=60~65ドルまで下落すると予想した。供給回復のスピードが予想以上に速く、需要が追い付かなければ、原油市場は供給不足から供給過剰へ転じる可能性があるとの分析だ。マッコーリーも60ドル台を予想した。ゴールドマン・サックスも年末80ドルを基本シナリオとしながら、供給正常化が予想以上に早まれば60ドル台まで下落する可能性を示した。
ブレント原油とドバイ原油の先物市場がコンタンゴ(期近物が期先物より安い状態)へ転じたことも、供給が需要を上回り始めたシグナルとの見方が出ている。現在受け取る原油が将来受け取る原油より安いということは、投資家が足元の需要を弱いとみていることを意味する。JPモルガンのグローバル・コモディティ戦略責任者ナターシャ・カネバ氏は「供給増加は現在市場が必要としている水準を上回るだろう」と分析した。
一方で、原油価格のさらなる下落を抑える要因も少なくない。WSJによると、経済協力開発機構(OECD)加盟国の原油在庫は3~5月に1億6300万バレル減少し、1990年以降で最低水準となった。米国の戦略石油備蓄(SPR)も1983年以降で最低水準だ。市場では、世界の備蓄を戦争前の水準まで回復させるには少なくとも数カ月から数年かかるとみられている。
韓国・NH投資証券FICCリサーチ部のファン・ビョンジン部長は「ホルムズ海峡が正常化すれば、国際原油価格の下落安定傾向は続く可能性が高い」としながらも、「夏場の石油需要や、米国・中国による戦略備蓄の積み増しの動きなどが、原油価格下落のペースを鈍らせる可能性がある」と分析した。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は「ホルムズ海峡は再開されたが、依然として航行リスクが残っており、産油国が追加生産能力をすべて活用するには制約がある可能性がある」と分析した。
韓国国内でもガソリン価格の下落が続き、全国平均価格は約3カ月ぶりに1リットル当たり1900ウォン(約201円)を下回った。この日、韓国石油公社のオピネット(Opinet)によると、午後5時時点で全国のガソリンスタンドのレギュラーガソリン平均販売価格は1リットル当たり1897.05ウォンとなった。前日(1902.8ウォン)より5.75ウォン下落した。
ただし、世界的な金利上昇見通しは容易には後退していない。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)によると、2028年までの主要国の金利水準は、米国・イラン戦争前の予想より最大0.5ポイント以上高い水準を維持すると見込まれる。戦争期間中に積み上がったエネルギーコストの上昇分が、賃金や食品、サービス価格へ波及する「二次的な物価上昇圧力」が依然として残っているためだ。
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