2月12日(現地時間)、ベルギー・ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会議後の「ウクライナ防衛連絡グループ」会合に出席したエルブリッジ・コルビー米国防総省(戦争省)政策担当次官。ロイター=聯合ニュース
米紙ワシントン・ポスト(WP)は28日(現地時間)、コルビー次官が「米国第一主義(America First)」外交・安全保障政策の将来を左右する闘いの中心人物になっていると報じた。
◇米軍削減計画をめぐり「知らない」と回答し対立
対立の火種となったのは、昨年のルーマニア駐留米軍削減問題だった。下院軍事委員長のマイク・ロジャーズ共和党議員は昨年10月、ルーマニア駐留米軍数千人を削減するとの情報を入手し、コルビー次官に削減計画の有無を尋ねたが、「知らない」との回答を受けたという。
しかし2週間後、欧州東部地域に配備されていた陸軍1個旅団の削減が発表されると、ロジャーズ委員長は激怒した。これに対しコルビー次官は、当時は撤収の最終決定が下されていなかったため断定できなかっただけで、事実を意図的に誤って伝えたわけではないと釈明した。コルビー次官はロジャーズ委員長に書簡を送り、自身を「不誠実だ」と批判した発言を撤回するよう求めたが、受け入れられなかった。
◇コルビー氏「ウクライナへの武器供与は誤り」…孤立主義路線
ハーバード大学の政治学学士、イェール大学ロースクール出身のコルビー次官は、元米中央情報局(CIA)局長ビル・コルビー氏の孫であり、トランプ政府内を代表する「戦略的抑制論者」として知られる。
同氏は共和・民主両党とも米国の国力には限界があるという現実を無視していると批判してきた。また、国防総省は将来起こり得る中国との戦争に備えるための兵器備蓄すら不足しているにもかかわらず、ウクライナへ武器を供与するのは誤りだと主張してきた。
トランプ第2次政府発足直後には、保守陣営のもう一人の「非介入主義者」とされる元司会者タッカー・カールソン氏との対談で、「複数の相手と同時に戦うことは文字通り無謀だ」と述べ、ウクライナへの米軍事支援中止論を強く展開した。
さらに昨年夏にはウクライナやバルト3国への安全保障支援中止を提言し、ピート・ヘグセス国防総省(戦争省)長官の指示で、米英豪3カ国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じてオーストラリアへ原子力潜水艦技術を移転する協定について全面的な見直しにも着手した。
これについても、米国の潜水艦建造能力が不足する中でオーストラリアへ原潜技術を供与することは米国戦力の負担になるという、コルビー次官の従来からの問題意識が反映されたとの分析が出ていた。ただし、同氏主導の見直しが協定廃止にはつながらなかった。
「中国集中」のコルビー氏、「同盟重視」の共和党伝統派タカ派と対立…トランプ政府内で外交路線争い(2)
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