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「人が死んでいっている」…エアコンをタブー視してきた欧州で規制緩和の動き

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

24日(現地時間)、記録的な猛暑が欧州全域を襲う中、フランス・パリのエッフェル塔近くの噴水で市民が涼を取っている。AP=聯合ニュース

エアコンを気候危機の元凶とみなし、「反エアコン」の基調を保ってきた欧州が、記録的な猛暑を前に冷房機器を見直し始めている。フランスでは冷房設備の拡充が大統領選の主要争点として浮上し、英国でもエアコンに関する規制を緩和しようとする動きが出ている。




フランスの極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ル・ペン議員は最近、「猛暑のために人々が命を落としているのはあまりにも理不尽だ」とし、「大統領に当選すれば、最も弱い立場の人々がいる病院や介護施設、学校から大規模な冷房設備を整備する」と述べた。また、現政権と左派陣営について、公衆衛生の問題をイデオロギー的に捉え、冷房設備の拡充をためらっていると批判した。フランスでは2003年の猛暑で約1万5000人が死亡した前例がある。


一方、「緑の党」をはじめとする左派陣営は、ル・ペン氏が猛暑対策をエアコン設置の問題に単純化していると批判している。「服従しないフランス(LFI)」のジャン=リュック・メランション代表は、「どこにでもエアコンを設置すれば、(炭素排出による)被害をさらに拡大させるだけだ」と主張した。

フランスは欧州諸国の中でも特にエアコンの普及率が低い。フランス環境移行庁によると、2025年時点の住宅におけるエアコン普及率は24%程度だ。2023年の18%から2年間で大きく増えたものの、依然として住宅4軒のうち3軒にはエアコンがない計算となる。発電量の約70%を原子力発電に依存する原発強国で、電力供給には余裕があるにもかかわらず普及率が低いのは、独特の文化的背景があるためだ。人工的な風は健康を害するという認識や、エアコンは地球温暖化を助長するという環境意識、さらに冷房を米国型の過剰消費の象徴とみなす風潮などが重なった結果だ。数百年の歴史を持つ建築物が多いパリでは、文化遺産保護のため建物の外壁への室外機設置を禁止する規制もある。

エアコンを巡る議論は英国政界でも熱を帯びている。英国ではこれまで比較的冷涼な気候のためエアコンなしでも夏を過ごせたが、近年は猛暑が繰り返され、状況が変わりつつある。英国気候変動委員会は、病院や介護施設には2035年までに、学校には2050年までに冷房設備が必要になる可能性があると勧告した。こうした声が高まる中、保守党は新築住宅へのエアコン設置をより容易にするため、建築規制を緩和する方針を示した。日よけの設置などを優先する現行規定が現実に合わなくなっているという判断によるものだ。気候危機対策に声を高めてきたドイツでも状況は同様で、移動式エアコンや扇風機の需要が急増している。このためドイツ国内のエアコン生産台数は2019年の18万1000台から2024年には31万7000台へと75%増加した。

気候危機対策に最も積極的だった欧州諸国が変化し始めた背景には、他地域と比べて欧州の猛暑被害が際立って大きいことがある。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は24日、「欧州の平均気温は1990年代半ば以降、10年ごとに約0.56度上昇している」と報じた。これは世界平均の2倍を超える上昇ペースだ。

特に北極圏に近い地理的条件が影響しているとの分析がある。北極の海氷が減少すると、太陽光を反射する白い氷が減って暗い海面が露出し、より多くの太陽エネルギーを吸収するようになる。皮肉なことに、大気汚染対策によって空気の質が改善したことも問題の一因となった可能性がある。大気中の微粒子が減少したことで、太陽光を宇宙へ反射する遮断効果が弱まったためだ。



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