22日、政府ソウル庁舎別館の外交部で記者懇談会をする趙顕(チョ・ヒョン)外交長官 [聯合ニュース]
2人の捕虜は公開的に韓国行きの意思を何度か明らかにした。北朝鮮に残る家族の被害を心配してためらうこともあったが、結局は亡命を選択した。特に捕虜の一人はインタビューで「韓国に連れていかなければ私は死ぬしかない」と語った。これは単なる亡命希望ではなく、命を助けてほしいという切実な呼びかけだ。
その背景には北朝鮮軍の残酷な現実がある。北朝鮮当局は派兵軍人に捕虜になるなという指針を出したという。実際、戦場では捕虜になるのを避けようと自爆を選択した事例も少なからず報告された。北朝鮮に送還される場合、どんな扱いを受けるかは難なく察することができる。
北朝鮮兵の捕虜は憲法上、大韓民国の国民であり、彼らの安全を守るのは国家の責務だ。国際法も彼らの選択を尊重するよう要求している。生命や自由が脅かされるところに当事者の意思に反して送ってはならないという強制送還禁止原則は、国際人権法の核心規範だ。国際人権団体が捕虜の自己決定権保障を促してきた理由もここにある。
ウクライナが今まで捕虜をロシアに引き渡さないのもこうした人道主義の原則を考慮した結果だ。しかしこうした状況がいつまで続くかは分からない。ウクライナもロシアに抑留された国民の捕虜の送還という課題を抱えているからだ。
北朝鮮とロシアはその間、ウクライナに北朝鮮兵捕虜の送還を要求してきた。これは韓国政府にも外交的負担として作用するかもしれない。しかし人道主義原則を堅持することと外交関係を管理するのは別の問題として接近する必要がある。死にたくないという人を危険が待つところに送還しないこと、それが国際法の原則であり人間としての最小限の道理だ。政府は北朝鮮兵捕虜の韓国行きを原則に基づいて実現させなければいけない。
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