ドナルド・トランプ米大統領が22日(現地時間)、ホワイトハウスで行われた大統領令署名式で、記者団とイランとの交渉過程についての質疑応答を行っている。ロイター=聯合ニュース
双方とも、スイス協議で合意した事項をひとまず順守しながら、交渉の勢いを維持しようとする動きと解釈される。ただし、イランが受け入れることにした国際原子力機関(IAEA)の査察と、それに伴う米国の追加的な見返りなど核心的な問題については、協議からわずか1日で見解の相違が表面化した。
◇「60日限定」の原油販売…ドル決済も容認
米国はこの日、イラン産原油に対する制裁を解除した。スコット・ベッセント米財務長官はX(旧ツイッター)で、「イランはホルムズ海峡の自由で開かれた通航と、IAEA査察団の再入国を約束した」とし、「(米国は)イラン産原油の生産・引き渡し・販売を認める60日間の暫定的な一般ライセンスを発行した」と明らかにした。ホルムズ海峡の自由通航とIAEA査察受け入れを約束したイランに対し、「交換条件」の形で制裁解除が行われたことを意味する。
米国はまた、原油輸出規制解除が適用される8月21日午前0時1分(米東部時間)まで、原油代金のドル決済も認めることにした。中国などに割安価格で原油を販売してきたイランとしては、市場価格で原油を売却できるだけでなく、ドル不足による為替相場急騰の沈静化も期待できることになる。
ただし米財務省は、北朝鮮やキューバ、クリミア半島を含むロシア占領下のウクライナ地域の個人・機関との原油取引については引き続き禁止するとした。北朝鮮やキューバへの原油供給を防ぐための措置だ。
◇イラン、ホルムズ海峡の「期間限定」無料通航を再確認
イランもホルムズ海峡開放の原則を再確認した。スイス協議直後にオマーンを訪問したモハンマド・バーゲル・ガリバフ国会議長と会談したオマーンのバドル・アルブサイディ外相は、Xを通じて「われわれは国際法の順守と、通航料のない(toll-free)ホルムズ海峡の安全な航行への約束を再確認した」と明らかにした。イランが約束した海峡開放期間も60日間で、米国による原油輸出容認期間と一致する。
ドナルド・トランプ米大統領はこの日、ホワイトハウスでの大統領令署名式の途中、「交渉は進行中であり、今後どうなるかは見守る必要がある」としながらも、「ホルムズ海峡をめぐる状況は非常に順調に進んでおり、昨日は海峡を通過した原油量が過去最高を記録した」と述べた。スイスでの対イラン協議については、「海峡が開放されていること、そしてイランが決して核兵器を保有できないことという二つの成果がある」と強調した。
◇IAEAを前面に出す米国…イランは「追加合意ない」
トランプ大統領はこれに先立ちSNSで「イランが今後長期間にわたり『核の透明性(Nuclear Honesty)』を保証するため、主要な兵器査察を受け入れることに同意するのは誰もが知っている」とし、イランによるIAEA査察受け入れを協議の核心的成果として掲げた。J・D・バンス米副大統領もこれを「核開発計画を恒久的に終結させるための第一歩」と評価した。
一方、イラン国営IRNA通信は「核問題に関連していかなる新たな義務も受け入れていない」と報じ、IAEA査察受け入れの意味を矮小化しようとする姿勢を示した。
米メディアも疑問を呈している。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「IAEAの復帰は本質的な核問題の解決からはかけ離れている」と評価し、ワシントン・ポスト(WP)も「IAEA復帰は、トランプ大統領が2018年に破棄した2015年のオバマ政権による核合意(JCPOA)に含まれていた措置を復元するものだ」と指摘した。アクシオス(Axios)は「米情報当局は完全な核合意が最終妥結に至るかについて懐疑的」とし、「協議前進のためにはイスラエルとヒズボラの停戦、ホルムズ海峡の航行保証、トランプ大統領による対イラン威嚇発言の自制などが前提となる」と報じた。
ひとまず原油販売と核査察を交換条件に…「オバマより性急な制裁解除」(2)
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