19日、京畿道坡州(キョンギド・パジュ)の接境地域から見た北朝鮮・開豊郡(ケプングン)一帯の哨所。鉄条網とみられる構造物が設置されている。[聯合ニュース]
21日、複数の軍関係者と国会国防委員会の姜大植(カン・デシク)国民の力議員室によると、北朝鮮軍はMDLの北側100メートル以内の区間まで鉄条網を設置した。このように北朝鮮の鉄条網とMDLとの距離が100メートル未満となっている区間は、西部・中部・東部の全戦線にわたって各地に存在することが確認された。北朝鮮が設置した鉄条網がこれほどまでにMDLへ接近している事実が確認されたのは初めてだ。
金正恩氏の「敵対的な二国家」路線に基づき、北朝鮮は2024年10月、「南側国境」を永久的に遮断する要塞化工事に着手すると表明した。これに伴い鉄条網設置や地雷埋設などを進めてきたが、今や文字通りMDLの目前まで迫ってきた格好だ。
特に北朝鮮軍は、設置した鉄条網の前方に脱北防止などを目的とする地雷地帯を造成しているが、その前段階である不毛地化作業をMDLのすぐ北側約5~10メートル地点ですでに完了したと把握されている。韓国側の基準で見れば、MDL以南への侵入とみなせる余地がある区間も存在するという。現在、MDL全体の約3分の1の区間に鉄条網が設置されていると合同参謀本部はみているが、今後は鉄条網がさらにMDL近くまで設置される可能性もある。その場合、北朝鮮の既存の警戒哨所(韓国側の監視哨所・GPに相当)も、それだけ南下する可能性がある。
北朝鮮は鉄条網の後方に戦術道路も整備している。これは将来的に北朝鮮の警戒部隊が車両でMDL近くの鉄条網まで移動し、警戒活動を行えるようになることを意味する。DMZ内における北朝鮮軍の活動半径が南側へ拡大すれば、韓国側の警戒負担は高まらざるを得ない。
元軍関係者らは、これによって北朝鮮がMDLを実際よりも南側へ押し下げる効果を生む可能性があると懸念している。北朝鮮軍が独自に判断したMDLを基準に鉄条網を設置すれば、事実上これを元に戻すことは難しくなり、場合によっては北朝鮮が引いた線が実質的なMDLとして既成事実化される恐れがあるためだ。1953年以降、南北双方と国連軍司令部でMDLの位置に関する認識が異なっており、現在は「3つのMDL」が共存している。
国家戦略研究院のムン・ソンムク統一戦略センター長(予備役准将)は、「DMZ本来の趣旨は、南北の軍事力を分離するための緩衝地帯にあるが、鉄条網や戦術道路の後方に警戒陣地を前進配置するなら、偶発的衝突の可能性が高まる」と指摘した。
北朝鮮の鉄条網が南下、軍事境界線まで80メートルに迫る(2)
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