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【社説】「核を置いたまま見返り」 米国・イラン合意の危険なメッセージ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

トランプ米大統領が17日(現地時間)、仏ベルサイユ宮殿でイランとの戦闘終結に向けた覚書(MOU)に署名している。 [AFP=聯合ニュース]

トランプ米大統領がイランと締結した非核化覚書(MOU)が国際社会に大きな衝撃を与えている。当初、戦争の名分として掲げたイランの非核化よりも、戦闘終結という政治的成果を優先して、国際秩序の基本原則や同盟国の安全保障までも取引対象にしたのではとの懸念が出ているからだ。

まず目につくのは制裁解除と非核化の順序が逆転した点だ。今回の合意は、イランへの制裁解除を約束しながら、最も敏感で具体的な非核化措置はすべて今後の実務協議に先送りした。トランプ大統領は今回の合意を「核兵器への道を阻む壁」と表現したが、実質的な措置は今後60日間の協議で決まる。イラン側は核能力の相当部分を維持したまま経済的見返りから受け始める構図だ。2015年のオバマ政権の核合意(JCPOA)に含まれていた、違反時に制裁を復元する「スナップバック条項」が外れた点も問題点に挙げられる。


MOUに盛り込まれた他の条項も論議を呼んでいる。第5項の「60日間の自由通航」条項は、期間終了後にイランがホルムズ海峡の支配権を行使することを事実上容認する結果につながる余地がある。これは米国がイランに海峡統制権を渡したことを意味し、国際海路の航行の自由の原則が深刻に損なわれるとの指摘もある。また、第6項の3000億ドル(約48兆円)規模の再建基金保証は戦争賠償金に近い性格を持つとみられ、韓国・日本など同盟国企業が参加するとの報道も出ている。こうした形の「同盟への圧力」が同盟間の信頼維持に役立たないのは言うまでもない。


韓国としては今回のようなトランプ政権の問題解決方式が 北朝鮮問題に適用される可能性を懸念せざるを得ない。11月の中間選挙を控え、トランプ大統領が次の外交成果のために北朝鮮の核をめぐる協議に乗り出すシナリオも提起されている。いかなる場合でも北朝鮮の核をそのまま置きながら、制裁が無力化され、在韓米軍の縮小や撤収までが交渉カードになるような最悪の状況は絶対に容認されてはならない。

戦争はひとまず終わり、世界は新たな局面に入った。国際秩序の破壊的変化を直視ながら、国益を守る最善の方策を構築するため、国家的力量を結集する必要がある。



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