FRBのウォーシュ議長(左)が5月の就任式でトランプ米大統領の話を聞いている。[写真 ロイター=聯合ニュース]
米国の物価状況は利上げ側だ。5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が1年前と比べ4.2%上がった。この3年間で最も高い。米債券市場の流れも尋常でない。米短期(6カ月)国債利回りが年3.8%台に上がっては下りている。金利(実効)は3.75%台だ。6カ月物利回りが政策金利を上回る現象はウォール街の人たちの目には利上げのシグナルに映る。これに対し、ウォーシュ議長の手には自身をFRB議長に就かせたトランプ大統領の金利引き下げ請求書が握られている。品位を持ってやりとりするFOMCメンバーの対話の中で緊張感が形成されそうだ。
FRBの金融通貨政策はFOMCメンバー12人が1票ずつ行使して決定される。前議長であるパウエル氏は理事の座から退かず採決に参加する。新任議長であるウォーシュ氏が自身の考えを貫徹させにくい状況だ。シカゴ商品取引所(CME)が金利先物ベッティングを基に算出した金利据え置きの確率が97%になる理由だ。
ところで「韓国が神経を尖らせるべきはFRB金利だけでない」と警告を出した人物がいる。通貨政策専門家である欧州経営大学院のアントニオ・ファタス教授だ。彼は12日に記者との通話で「トランプとウォーシュが金利を思い通りに決めるのは構造的に難しいが、韓国が金融危機の瞬間に頼った通貨スワップだけは思いのままに武器化することはできる」と話した。通貨スワップはFRBが韓国銀行など海外の中央銀行から現地通貨で資金を預かりドルを渡す取引だ。2008年の米国発の金融危機を契機にFRBの危機対応マニュアルとしての位置を確立した。通貨政策専門家の間では世界の中央銀行共助の象徴とされる。ファタス教授は「トランプとウォーシュがドルを与える見返りとして米国内投資増額などを条件に掲げるだろう。韓国が焦り始めた瞬間に悪徳債権者に急変するトランプとウォーシュを警戒し備えなければならない」と注文した。
カン・ナムギュ/国際経済先任記者
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