2018年6月、シンガポールで行われた首脳会談を前に、トランプ米大統領(右)が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長とあいさつを交わしている。[AFP=聯合ニュース]
米国とイランが14日(現地時間)、終戦に向けた了解覚書(MOU)を締結し、イランの高濃縮ウラン(HEU)と海外で凍結されたイラン資産の解除を交換条件とする可能性が高まる中、今後の北朝鮮核問題交渉に与える影響が注目されている。今回が初めてとなる「トランプ流の非核化合意」を、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が今後の交渉の参考例として活用する可能性があるためだ。
ロイター通信がイラン高官の話として報じたMOUの詳細によると、今回の合意の核心となるのは「イランが自国領内で保有するHEUの備蓄量を希釈することを米国が認める」という点だ。また、「最終合意が成立するまで、イランは現在の核プログラムの状態を維持する」という内容も盛り込まれている。当初、イランの核保有を阻止するために戦争を始め、HEUの全量除去を目標としていた米国が、一歩譲歩したと受け取られる余地がある。
こうした点は北朝鮮にも示唆を与え得るとの指摘が出ている。イランよりはるかに高度な核能力を保有する北朝鮮は、完成した核兵器を前面に押し出し、非核化ではなく核軍縮交渉を進める名分として利用したり、一部の核生産能力のみを廃棄する形で、事実上の核保有国としての地位を維持しようとする可能性が高いということだ。
特に今回の終戦交渉で、あらゆる争点をのみ込んだのはホルムズ海峡封鎖問題だった。イランは世界の原油輸送量の20%が通過するホルムズ海峡を握り、持久戦に持ち込んだが、部分的にはこの戦略が功を奏したと見る余地がある。
元米国務省報道官のマシュー・ミラー氏はロイター通信に対し、「核問題が解決される保証もないまま、世界経済を人質に取ることで米国から何らかの譲歩を引き出せることを、イランは世界に示した」と指摘した。
こうした「トランプ流交渉の弱点」を、金正恩国務委員長も執拗に突いてくると予想される。トランプ大統領を相手にする際、在韓米軍の撤収や国連軍司令部の解体といった本質とは別の安全保障上の変数を「交渉カード」として最大限前面に出し、非核化交渉の枠組みそのものを揺さぶろうとする可能性があるという意味だ。「伝統的な血盟」である中国や、新たな後ろ盾として浮上したロシアといった友好国のカードも最大限活用するとみられる。
また、北朝鮮の核能力は事実上すでに完成段階にあるため、北朝鮮の非核化交渉はイランとは次元の異なる高次方程式になるとの見方が多い。イランのウラン濃縮度が60%程度であるのに対し、北朝鮮は90%以上の兵器級HEUを数千キログラム保有していると国際社会は評価している。
北朝鮮は今年の最高人民会議全体会議を通じて、憲法に「核武力国家」を明記するなど、これを後戻りできない措置として固定化した。金正恩国務委員長自身も「非核化の試みそのものが違憲だ」と述べている。
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