米国のドナルド・トランプ大統領(左)、チリのホセ・アントニオ・カスト大統領、アルゼンチンのハビエル・ミレイ・アルゼンチン大統領。カスト大統領とミレイ大統領は、それぞれ「チリのトランプ」「南米のトランプ」と呼ばれている。チョ・ムンギュ記者、聯合ニュース、AP
米国とカナダが代表的な例だ。米国の「アングリー・ヤング」は、オバマ政権(2009~2017年)とバイデン政権(2021~2025年)期に続いた移民受け入れ政策や、ポリティカル・コレクトネス(PC)を強要するかのような社会的雰囲気に疲労感を覚え、本格的に「トランピズム」に傾き始めたとの見方が専門家の間で示されている。カナダでは、ジャスティン・トルドー前首相が2015年に多文化主義をカナダのアイデンティティの核心に掲げて当選したが、急進的な移民政策の影響で住宅費や生活物価が急騰すると、若年層の支持は急速に冷え込んだ。結局、トルドー前首相は2024年10月に移民政策の失敗を認め、2025年1月に早期辞任した。中南米地域では、「ブルータイド(保守勢力の政権掌握)」の勢いが顕著だ。それぞれ「チリのトランプ」「南米のトランプ」と呼ばれるチリのホセ・アントニオ・カスト大統領やアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領など、保守系政治家が相次いで政権獲得に成功している。
韓国でも2030世代の男性を中心に、反既得権、反多様性、反PC主義の流れが強まっている。専門家は、この傾向が圧倒的な支持率を背景に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権時代から始まったと分析している。文前大統領は大統領選挙の過程で「フェミニスト大統領になる」と宣言し、女性割当制など女性有権者を中心としたジェンダー政策を前面に打ち出した。同時に2019年には、海外の成人向けサイトや賭博サイトへの接続遮断を目的とした「SNI(Server Name Indication)遮断」政策を実施した。発足当時の高い支持率を背景に政府がこうした政策を推し進めると、2030世代の男性は文政権を「既得権」と規定し、「反・共に民主党」の旗の下に徐々に結集するようになったという。また、民主党政権の外交政策を「親中」と規定する彼らの反多文化・反中感情も次第に強まっている。
こうした流れについて、高麗(コリョ)大学政治外交学科の李信和(イ・シンファ)教授は、「青少年期や青年期に民主政権を経験した現在の2030世代は、進歩勢力を既得権として認識している」とし、「2030世代が保守化したというより、既得権に対する反発心が作用している」と評価した。江南(カンナム)大学国際地域学科のチョ・チャンス教授も、「若者特有の抵抗精神が保守という枠組みを通じて発現したものだ」とし、「歴史の振り子が保守へと戻ってきた」と指摘した。伝統的なイデオロギー区分や政治的嗜好による保守化ではなく、「反既得権感情」に基づいて権力を牽制(けんせい)し、スイングボーターとしての役割を果たしてきた若者たちが、今回は保守側を支持しているとの解釈だ。
また専門家は、抵抗に立ち上がった若者たちの心の中にある根深い不安を理解し、政界がそれを和らげる適切な解決策を提示すべきだと助言した。李教授は、「経済の低成長が固定化し、若年失業率が上昇する状況の中で、『努力すれば成功する』という従来の公式は崩れた」とし、「抵抗に立ち上がった若者たちの心の中には、『自分を守ってほしい』という悲鳴がある」と述べた。韓国外国語大学政治外交学科のイ・ジェムク教授も、「一部の過激なデモは問題だが、街頭に出た若者たちを無条件に極右扱いしてはならない」とし、「政治を立て直し、若者たちに実効性のある政策を提示すべき時だ」と強調した。
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