ソウルの鷺梁津水産市場。国産水産物価格が上がっている。[写真 聯合ニュース]
ソウルの鷺梁津(ノリャンジン)水産市場で17年にわたり商売をしているソ・ジスさんは「マージンをほとんど残さないで売ってもお客の立場では値段があまりにも高く、そのまま通り過ぎてしまうことが多い」とため息をついた。
高物価・ドル高・原油高の三重苦が韓国の流通業界を襲っている。輸入商品はドル高により原価負担が大きくなった上に、国産水産物まで原油価格急騰と異常気象の影響により価格が上がり、食卓物価全般が厳しい状況となった。
水産業協同組合鷺梁津水産によると、6月第1週に鷺梁津水産市場に入荷されたタチウオ1キログラムの平均落札価格は2万700ウォンで前年同期より39.9%上昇した。タラバガニは32.7%、ニベは27%上がった。
水産業界関係者は「中東での戦争発の原油高により船舶用軽油価格が1リットル当たり800~900ウォンから1300ウォン後半台に高騰し原油価格負担で操業を断念する漁民も増加している。気候変動により漁獲量自体が減少した上に、操業萎縮で需給不安が大きくなっている」と話した。
状況が悪化すると海洋水産部は来月15日までスケトウダラ5500トン、サバ1000トン、イカ900トン、タチウオ600トンなど政府備蓄水産物を最大8000トン市場に供給することにした。
大型マートも為替相場1ドル=1500ウォン台が長期化の兆しを見せており負担が大きくなっている。輸入農畜産物と加工食品などはドル決済の割合が高い上に、原価上昇分を消費者価格にすぐ反映しにくいためだ。すでに一部輸入食品は価格引き上げにより販売量が減少する現象が現れている。
これを受け大型マート業界1位のイーマートは今月末からチリ産サバを販売することにした。ドル高の余波で既存のノルウェー産サバの輸入費用が上昇しており、一部を代替する新しい産地を発掘したのだ。チリ産の塩サバは2尾基準4000~5000ウォン台でノルウェー産より50%、国産より30%ほど安い。実際に10日にノルウェー産サバ価格は前年同日より18%ほど上昇した。イーマート関係者は「消費者価格の上昇を最大限抑えるための措置」と話した。
マートは原価節減に向け全力を挙げている。イーマートは米国産牛肉価格が上がるとアイルランド産牛肉を新たに導入するなど供給網を多角化した。ノルウェー産サーモンは協力業者と協議して決済通貨をドル建てからノルウェー・クローネ建てに変更した。ロッテマートは米国産牛肉より売り値が10%ほど安いオーストラリア産牛肉を昨年より10%ほど増やした。ノルウェー産サーモンは原物を大量に事前契約し、中間流通段階を減らして原価負担を低くしている。
輸入原料への依存度が高い食品業界もやはり原価の圧迫が大きくなっている。ロッテウェルフードは1-3月期の事業報告書でドルが10%上昇する場合、税引き前利益が約56億9500万ウォン減少すると明らかにした。CJ第一製糖も10%のドル高が外貨為替差損益などを含んだ税引き後利益が約67億3500万ウォン減ると明らかにした。
食品企業関係者は「ドル高に中東の戦争まで重なり油脂類と包装材など主要資材価格上昇分が本格的に業績に反映され始めた。供給先を多角化して対応しているが消費者価格引き上げも容易ではなく収益性の悪化は避けられない状況」と話した。
淑明(スンミョン)女子大学消費者経済学科のイ・ホンジュ教授は「下半期までもドル高・原油高の基調などが続くならば流通業界も価格を調整しなければならず、消費者が体感する物価負担はさらに大きくなるだろう」と予想する。
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