10日、ソウル大学国家未来戦略院が開催した韓国・欧州シンポジウム。[写真 ソウル大学国家未来戦略院]
米中覇権競争が激化する中、韓国と欧州の学者や現・元高官らが集まり、戦略的な生存空間を模索した。10日、ソウル大学国家未来戦略院〔院長・姜元沢(カン・ウォンテク)〕が主催し、中央日報が後援する国際シンポジウムが「急変する国際秩序の中での韓国と欧州の協力」をテーマに開催された。
姜元沢院長は開会の辞で、「ロシア・ウクライナ戦争は欧州の安全保障問題にとどまるように見えたが、北朝鮮は派兵し、韓国は欧州の再軍備を支援している」と述べ、双方が直面する現実の類似性と連帯の必要性を強調した。特にドナルド・トランプ米大統領の取引主義的な同盟観は、欧州と韓国の双方に安全保障上の悩みをもたらしている。トランプ政府は関税カードをてことして活用し、昨年10月の韓米首脳会談で韓国から3500億ドル(約56兆1700億円)規模の対米投資や国防費増額など、多大な安全保障上の対価を引き出した。
この日、基調講演に登壇したゲオルク・シュミット駐韓ドイツ大使は、「クジラたちの間に挟まれた中堅国」を話題として提示した。シュミット氏は現在の世界が、▷ロシアによるウクライナ侵攻とNATO(北大西洋条約機構)弱体化の脅威 ▷トランプ第2期政府の発足 ▷中国の「中国製造2025」戦略に伴う産業攻勢--といった「ツァイテンヴェンデ(Zeitenwende=時代的大転換)」に直面していると診断した。
その上で、「米国の安全保障の傘が縮小する中、欧州はより多くの安全保障上の責任を抱え込むことになった。ロシア・ウクライナ戦争が終結すれば、ウクライナ復興は欧州と韓国にとって機会となる市場だ」と強調した。また、「過去に中国へ依存していた多くのドイツ企業は、現在では予測可能性と安全性を求めて韓国とのサプライチェーンのつながりの輪を強化している」と述べ、双方が連携できる接点を示した。
ベルギー・ブリュッセル自由大学のエリザベス・ヨハンソン・ノゲス教授も、「トランプ政府は多国間主義体制を弱体化させている。欧州は独自の安全保障体制を構築しなければならない難題に直面している」と懸念を示した。続いて、「EUの強みである調整力と合意形成能力を基盤に、韓国、カナダ、オーストラリアなど類似した立場を持つ国々との防衛・サイバーセキュリティ協力を大幅に拡大すべきだ」と提案した。
この日、対北朝鮮政策を巡って議論した場では、韓米日が従来の非核化目標である「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)」の枠組みから脱却すべきだとの主張も提起された。イタリア・ボローニャ大学のアントニオ・フィオーリ准教授は、「核保有を憲法に明記した北朝鮮に対し、即時の非核化だけを求めるのは現実性に欠ける」とし、「常設の意思疎通チャンネルを構築し、軍備管理交渉などの危機管理システムを導入すべきだ」と促した。
一方、韓国の外交・安全保障専門家は、このような構想が北朝鮮の核保有を認める結果になり得る点で懸念を示した。文在寅(ムン・ジェイン)政府で外交部第1次官を務めた延世(ヨンセ)大学の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)教授は、「CVIDが現在は宣言的目標にとどまっていることを認め、北朝鮮の戦略的現実を直視すべきだ」としながらも、「韓半島(朝鮮半島)の非核化という最終目標そのものを放棄してはならず、譲歩のない抑止力の維持が不可欠だ」と線を引いた。馬相潤(マ・サンユン)カトリック大学教授も、「北朝鮮との取引的関係の下で、北朝鮮が韓米合同軍事演習の中止や在韓米軍撤収など安全保障上の対価を要求した場合、韓国の国家安全保障への脅威となり得る」と指摘した。
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