打ち上げ成功を喜ぶイーロン・マスク米スペースX最高経営責任者(CEO)。ロイター=聯合ニュース
スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は今年初めの国際経済フォーラム(ダボス会議)でこのように話し、「宇宙データセンターが2~3年以内に現実化するだろう」と予想した。
生成AI拡散でデータ演算需要が急増し、IT業界が「宇宙データセンター」に注目している。宇宙データセンターは安定的に大規模な電力を確保することが最も大きな課題だが、この局面で次世代素材を活用した宇宙太陽光発電も脚光を浴びている。
ハンファQセルズ(ハンファソリューションQセルズ部門)は9日、「夢の太陽電池」と呼ばれるタンデムセルを月に送る宇宙太陽光実証に参加すると明らかにした。米航空宇宙局(NASA)が資金を支援し、イージスエアロスペース、ジョージア工科大学研究所などが参加する「宇宙科学技術実証(SSTEF-1)」プロジェクトのパートナーになったのだ。
タンデムセルは上部(ペロブスカイト)と下部(シリコン)にそれぞれ異なる種類のセルを結合した次世代太陽電池だ。シリコンセルでだけ構成された既存の太陽電池に比べ光吸収率を大きく高めた。研究陣は月探査船の表面にタンデムセルのサンプルを設置し、▽真空▽深刻な温度変化▽紫外線▽宇宙放射線――など宇宙環境に露出させて実証データを確保し安全性などを評価する予定だ。
ハンファQセルズのパク・スンドク代表は「宇宙太陽光は急増する電力需要に効果的に対応できる未来エネルギー源であり、AIデータセンターをはじめ防衛産業や通信など安全保障と密接な核心産業全般に大きな波及力を持つプラットフォーム産業。今回のプロジェクトは持続可能なエネルギーの可能性を宇宙まで拡張する重要な転換点になるだろう」と話した。
現在マスクCEOが率いるスペースXをはじめとして米スタークラウドとグーグル、欧州エッジエアロスペースなどの企業は宇宙データセンター計画を具体化している。データセンターはグラフィック処理装置(GPU)とサーバーを駆動する大規模電力、この過程で発生する熱を処理する冷却設備、超高速ネットワークなどインフラが必須だ。
AIデータセンターは電力密度と発熱量が高く、「電力」と「冷却」が最大の課題だが、宇宙データセンターは冷却水確保や大型空調設備負担を減らせるという長所がある。
問題は大規模電力確保だ。ハンファQセルズが今回実証するタンデム技術はシリコン太陽電池と同じ面積でより多くの電力を生産でき、打ち上げ重量と設置空間が限定的な宇宙環境に適合すると評価される。
世界の業界も宇宙太陽光技術開発の真っ最中だ。英スペースソーラーは宇宙で生産した電力をマイクロ波で地上に送る事業を推進中で、エーテルフラックスは低軌道太陽光発電所構築を計画中だ。
専門家らは宇宙太陽光発電が宇宙データセンターのばく大な電力需要を支えるカギになるとみる。建国(コングク)大学航空宇宙工学科のイ・チャンジン名誉教授は「すでに宇宙太陽光発電と送電の実証事例があるので、商業化、規模化、収益性確保がカギ。韓国は地上用太陽電池と情報通信技術産業の競争力を備えただけに宇宙で実証段階を乗り越えられれば十分に世界的競争力を持つことができる」と話した。
その上で「宇宙インフラは高速道路や高速鉄道のような国家基盤施設。政府がヌリ号や再使用ロケットを活用して宇宙実証プラットフォームを構築する場所を作り、韓国企業が得意な太陽電池、IT、部品技術を実証できるよう差別化された宇宙インフラ戦略を立てなければならない」と助言した。
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