3月12日、中国・遼寧省丹東市で、平壌(ピョンヤン)発K95列車が中朝友誼橋を渡っている。中国は2020年の新型コロナウイルス流行以降中断されていた列車運行と、北京―平壌間のエアチャイナ便の運航を再開した。[写真 新華網]
中国軍機関紙「解放軍報」は6日付1面で、国営・新華社通信が配信した「中朝友好の新たな章を書き続ける」と題する記事を掲載し、中国と北朝鮮は強敵を恐れず、米国と日本に共同で対処する必要があると強調した。また、習近平国家主席の8~9日の訪朝を「歴史的訪問」と位置付け、「両国関係の新たな青写真を示し、社会主義建設のための強力な原動力を吹き込み、地域の平和と安定、繁栄により大きく貢献するだろう」とした。
特に、昨年9月4日の北京首脳会談で習主席が述べた「中朝は運命を共にし、互いに助け合う良き隣人、良き友人、良き同志」という、いわゆる「運命共同体」と「三好」のワーディングを繰り返した。
解放軍報は続いて7日付4面で、朝中友好関係の持続的発展を促進すべきだとの主張を掲載し、両国間の経済・文化・教育・科学技術・スポーツ交流の重要性を強調した。また、「双方は国連など多国間プラットフォームで意思疎通と協同を維持し、地域および国際問題での調整を強化する」とし、「中国と北朝鮮は共同利益を守り、国際的な公平性と正義を擁護し、地域の長期的な平和と安定、そして世界の平和と発展に安定性を吹き込むため、手を取り合った」とも述べた。
このため、2016年に北朝鮮が核・ミサイル実験を相次いで実施したことを受け、国際社会が原油輸入の制限や海外労働者派遣の禁止を盛り込んだ国連安全保障理事会決議2397号による制裁が、今回の平壌(ピョンヤン)会談によって事実上無力化される可能性が指摘されている。中国の王亜軍・北朝鮮大使は6日付の人民日報への寄稿で、「(中朝)1-3月期の貿易額は前年同期比14.3%増加した」と述べ、両国貿易の正常化を示唆した。
中国国営メディアは、習主席と北朝鮮との過去の縁も強調した。新華社は6日、「2008年6月、習近平同志が中央で職務を担ってから、最初に訪問した国は山河を接する隣国・北朝鮮だった」とし、習主席が国家副主席就任後に初めて訪問した国が北朝鮮であったことを改めて強調した。
一方で、朝中の血盟復活を強調する国営メディアとは対照的に、中国のソーシャルメディア(SNS)上の分析家たちは今回の訪朝に隠された意図に注目している。国際問題を扱うアカウント「環球風雲追踪」は6日、「韓米日が構築している地域連盟が、中国周辺の戦略空間を圧迫している」とし、「このような背景の下で、北朝鮮という『戦略的屏風』を安定させることは、中国にとって地域安全保障を守る重要な任務だ」と主張した。つまり、韓米同盟を朝中血盟によって相殺しようとする訪朝だとの見方だ。
北朝鮮とロシアの密着も牽制している。アカウント「金戟鉄馬」は7日、「北朝鮮はロシアとの戦略的協力を口実に、物資や国防分野で緊密な協力を進めている」とし、「中朝は情勢認識を共有し、対外的立場を調整することで、地域紛争がもたらす連鎖的影響を可能な限り回避しようとするだろう」と予測した。このアカウントは、今回の訪朝の4大目的として、▷政治的相互信頼 ▷経済協力の拡大 ▷韓半島(朝鮮半島)情勢に関する協議 ▷グローバル課題での協力--を挙げ、北朝鮮のウクライナ派兵問題も議論されるとの見方を示した。
今後の朝米会談を見据えた動きだとの分析も出ている。George H.W. Bush Foundation for U.S.-China Relations(ジョージ・ブッシュ米中関係基金会)のシニアフェロー、李成賢(イ・ソンヒョン)氏は、「習主席はトランプ大統領およびプーチン大統領との会談直後に平壌を訪問することで、仲介者としての拒否権(veto)を確保した」とし、「今後、ワシントンと平壌の関係が中国の核心的利益を迂回したり、韓半島の安全保障構造を変化させたりしないよう、交渉テーブルの席を先取りした」と述べた。イラン戦争やウクライナ戦争が終結した後、仮に朝米接触が再開されたとしても、中国を迂回することはできないと釘を刺す意味合いを持つ訪問になるとの分析だ。
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