先月25日、台北の夜市でマンゴーかき氷を前におどけた表情を見せるエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)(左の写真)。1日に台湾で開かれた「COMPUTEX 2026」の基調講演で発表する姿とは対照的だ。[EPA=聯合ニュース]
業界では、これを単なる会食ではなく、高度なメディア戦略とみている。昨年10月の「カンブ会合」のように、開かれた場所で庶民的な料理を共に味わいながら、「人工知能(AI)エコシステムを共に築くパートナー」というメッセージを視覚的に伝えようとする狙いがあるという。
フアンCEOは今年2月にも、米国の韓国式チキン店「99チキン」で崔会長やSKハイニックスの社員らと会食し、パートナーシップをアピールした。99チキンのジェームズ・ソン社長は中央日報に対し、「ジェンスン・フアン氏は客のグラスが空くたびに、自らソメク(焼酎とビールを混ぜた酒)を注ぎながら場を盛り上げていた」と語った。
飲食店を自身の物語と結び付ける能力にも長けている。フアンCEOは2023年、米サンノゼのファミリーレストラン「デニーズ」を訪れ、15歳のときに皿洗いをしながらエヌビディア創業を語り合った当時を振り返った。デニーズで28年間働くアヌルフォさんは、「ジェンスン・フアン氏のファンにとっては聖地のような場所だ」と話した。
こうした気さくな「飲食店マーケティング」は、複雑で難解なAI企業であるエヌビディアを親しみやすいブランドへと変える上で大きな役割を果たしたと評価されている。世宗(セジョン)大学経営学科の黃庸植(ファン・ヨンシク)教授は、「GPU(グラフィックス処理装置)やトークンといった専門用語は一般の人には難しいが、サムギョプサルと焼酎、チキンとビールは誰にとってもなじみやすい言語だ」とし、「企業説明会や記者会見よりも、飲食店の方がはるかに強力なPRの舞台になった」と述べた。
親しみやすい大衆的なイメージとは対照的に、業界でフアンCEOは成果に厳しい経営者として知られている。期待に及ばない社員を厳しく叱責する、いわゆる「フアンの怒り(Huang’s Wrath)」はシリコンバレーでも有名だ。実際、エヌビディア本社にはジムのような福利厚生施設がほとんどない。「会社は徹底して働く場所だ」という哲学が反映された結果だ。
「サムソ会合」のジェンスン・フアン氏、成果の出ない社員には容赦なし(2)
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