先月23日にサムスン電子の組合員がサムスン電子平沢キャンパス前で開かれた闘争決議大会でスローガンを叫んでいる。[写真 聯合ニュース]
金民錫(キム・ミンソク)首相はこの日、国民向け談話を発表し「ストで国民経済に莫大な被害が懸念される状況が発生するならば、政府は国民経済保護に向け緊急調停を含む使えるすべての対応手段を講じざるをえない。最後の機会である事後調停で労使が成果を出すことを切実に要請する」と話した。金首相は「サムスン電子の半導体工場はたった1日だけ停止しても最大1兆ウォンに達する直接的な損失が発生すると予想される」と説明した。
青瓦台の姜由楨(カン・ユジョン)首席報道官もこの日の質疑応答で「政府はサムスン電子労使がストに至らず賢明に対立を解決できるようあらゆる支援を惜しまない」と述べた。金首相が言及した緊急調停権発動と関連し、青瓦台と調停があったかという問いには「きょう首相が話したのが政府の公式立場」と明らかにした。
サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長は前日に海外出張日程を変更して帰国しており、交渉進行状況を直接確認するという。サムスン電子によると、2次事後調停会議には使用側代表交渉委員としてこれまでの金亨魯(キム・ヒョンロ)DS(半導体)部門副社長の代わりにピープルチーム長のヨ・ミョング氏が出る。労組の要求を受け入れた結果だ。事案の重要性を考慮してパク・スグン中央労働委員会委員長も直接参観することにした。
だが成果給制度化をめぐり双方が強硬な立場を固守しており妥結までは難航が予想される。労使はこの日2次事後調停に先立ち非公式ミーティングを進めた。チェ・スンホ労組委員長によると、使用側は▽超過利益成果給の上限を年俸の50%で維持したまま▽経済的付加価値の20%、または営業利益の10%のうち選択できるようにし▽半導体部門の営業利益が200兆ウォンを超えれば超過利益成果給とは別に営業利益の9~10%の財源を全体部門60%、事業部別40%に分けようと提案した。また、これを3年持続した後にその後協議しようとした。
労組はこうした提示案について、12日の中央労働委員会1次事後調停で提示された仲裁案より退歩したと主張している。チェ労組委員長は「使用側が(政府の)緊急調停を示唆して組合を圧迫している。緊急調停と仲裁になれば被害が大きいと圧迫するが屈しない」と明らかにした。彼はまた「事後調停でも同じ姿勢を見せるならば合意しない」ともした。
財界では目の前の果実を分け合うために将来の食べ物を植える機会を逃す「小貪大失」を警戒しなければならないという声が高い。世宗(セジョン)大学経営学部のキム・デジョン教授は「半導体産業の場合、市場の状況により大規模設備投資が必須。過度な成果給支出により未来成長投資が萎縮し企業の持続可能な成長が脅かされかねない」と話した。
また、超過利益成果給の支給基準が事前に定められた賃金のように固定化されることになれば、成果給が賃金なのかをめぐる法的紛争が再点火するという見通しも出ている。高麗(コリョ)大学法学専門大学院のパク・チスン教授は「営業利益の一定の割合を成果給の財源として固定配分する場合、成果給が契約上決められた報酬と受け止めることができる」と指摘した。
緊急調停権はストが国民経済を害したり国民の日常に危険を与える恐れがある時に雇用労働部長官が発動できる制度だ。この日の談話には労働部の金栄訓(キム・ヨンフン)長官が産業通商部の金正官(キム・ジョングァン)長官らとともに同席した。緊急調停を決めればストは30日間中断され、中央労働委員会の強制調停手続きが始まる。21年前2005年にアシアナ航空と大韓航空の操縦士スト当時に2度の緊急調停権発動が最後だ。ただ1963年の制度導入からこれまで4回発動された緊急調停権はいずれもスト発生後に行使された。2回は労使合意によりストが終了し、残りの2回は政府の強制仲裁により終えられた。労使が政府の調停と仲裁手続きに従わなければ刑事処罰を受けることがある。
韓国労総はこの日声明を出し、「成果給制度は企業が労働者間の競争を誘導する手段として活用されており、現在の対立を特定集団の過度な要求のためだとみてはならない。政府が緊急調停権を単に経済的波及力が大きいという理由だけで適用しようとするならば大企業労働者のスト権を制限する先例につながる危険が大きい」との認識を明らかにした。
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