HD現代重工業蔚山造船所。[写真 聯合ニュース]
ハンファオーシャン労組は今年会社と成果給基準と制度改編をめぐり実務協議を進めている。団体交渉労組案には成果給支給基準変更内容が盛り込まれた。サムスン重工業労働者協議会委員長は最近李在明(イ・ジェミョン)大統領が参加した造船業界との懇談会で、「成果と利益を労働者に透明で公正に配分すべきとの声が激しく、私も圧迫を受けている」と話した。
産業全般がいわゆる「N%成果給」のジレンマに陥りかねないという指摘が出る。成果給は企業が未来の成長動力確保に向けた投資計画と研究開発需要、財務状態などを総合的に考慮して設計する経営の領域だ。これを営業利益と機械的に連動させれば戦略的経営判断は制約されるほかない。他の大企業や中小企業の従業員との賃金格差が拡大し、2次的な社会的対立が避けられなくなるとの見方もある。
市場経済の根幹である「リスクと補償の法則」を押し倒すことになるとの懸念も出ている。成均館(ソンギュングァン)大学法学専門大学院のチェ・ジュンソン教授は「労働者は雇用契約を通じて不況でも賃金をもらい、会社の損失の責任を負うこともない。会社の余剰利益は一次的に資本損失のリスクを甘受する株主のものでなければならない」と話した。チェ教授は「労働者への報賞は理事会・株主総会が同意するラインでしなければならない。特にサイクル産業である半導体や造船などで一定の割合を強制するのは無理」と付け加えた。例えば台湾TSMCは毎年理事会が会社の業績と投資計画を考慮して成果給規模を決める。
海外には過度な利益共有が長期競争力低下につながった事例が少なくない。ゼネラルモーターズ(GM)は2023年の労組のスト後に成果給などを増やし2028年までの5年間に93億ドルの追加費用が必要になった。GMは昨年10-12月期に赤字を記録するなど振るわない業績を出したが1人当たり1万500ドル(約166万円)の成果給を支給しなければならなかった。世界的自動車企業ステランティスは2年前には1人当たり1万4000ドルの成果給を支給したが、昨年は営業損失を出しこれ以上支給できなくなった。業界では電気自動車、車両用ソフトウエアなどで遅れをとった原因のひとつとして過度な成果給を挙げる。
これに対し労働界では労働価値を優待する成果配分体系が確立されてこそ現場の労働意欲を高めて長期的な生産性向上を引き出すことができるという主張が出ている。労働者も経営が厳しい時に賃金据え置きと構造調整の苦痛をそのまま分担し、使用側と危機をともに耐えたということだ。実際に造船業界の場合、2016年以降の「受注の崖」と大規模赤字により希望退職、賃金据え置き、人材縮小などを続けてきた。その後受注好況がやってきて業績は急反騰したが、現場では「人材流出を防いで生産性を維持するには報賞が必要だ」という声が出ている。
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