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「トゥキディデスの罠はない」としていた習氏、トランプ氏の前で「克服すべき」…「G2」既成事実化

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ドナルド・トランプ米国大統領(前列右)が14日(現地時間)、中国・北京の人民大会堂前で習近平中国国家主席と共に軍儀仗隊を査閲している。ロイター=聯合ニュース

ドナルド・トランプ米国大統領と習近平中国国家主席の14日(現地時間)の北京首脳会談で最も目を引いた表現は、習主席が述べた「トゥキディデスの罠」だ。「トゥキディデスの罠」とは、新興強大国が浮上する際、既存の強大国との衝突の危険が構造的に高まるという概念の国際政治用語だ。

習主席がこの表現を使ったのは初めてではないが、過去とは明確な違いを見せるという点で注目される。過去には「罠はない」に力点が置かれ衝突回避に焦点を合わせていたとすれば、今回はトゥキディデスの罠を両国関係の前提として既成事実化するようなニュアンスに近かった。中国が米国と対等な位置に立ったことを強調しながら、両国が世界秩序を事実上二分する、いわゆる「G2時代」を宣言する象徴的な意味が込められたという分析が出ている。


◇2015年オバマ氏の前で「トゥキディデスの罠はない」


習主席が米中首脳会談で「トゥキディデスの罠」を初めて取り上げたのは、米国を国賓訪問した2015年9月、ワシントンD.C.でバラク・オバマ当時大統領と会談した時だ。習主席は当時、「トゥキディデスの罠のようなものはない。ただ、強大国間の戦略的な誤認が蓄積されれば、自らそのような罠を作ることがある」と述べた。

当時は南シナ海を巡って米中間で葛藤が高まり、オバマ政権が「アジア回帰(Pivot to Asia)」政策を打ち出した時だ。習主席の当時の発言は、中国の急浮上を警戒する米国に対し「中国脅威論」は実体のない危惧に過ぎず、衝突は構造的必然ではないという点を強調することに力点が置かれていた。

◇2023・24年にも「トゥキディデスの罠、必然ではない」

習主席は2023年10月、北京の人民大会堂を訪問した米上院代表団に接見した席でもこの表現を使った。習主席は当時、「トゥキディデスの罠は必然的なものではなく、広い地球は中国と米国が各自発展し繁栄することを完全に受け入れることができる」と述べた。2024年11月のジョー・バイデン当時大統領との首脳会談でも「トゥキディデスの罠は歴史的宿命ではなく、『新冷戦』はしてはならず、勝つこともできない」とした。両発言とも中国と米国間の二国間関係の重要性と同時に、共同利益の実現が可能であるという点を強調する文脈だった。

しかし、北京首脳会談で出た今回の発言は重みが異なる。習主席は「『中米両国がトゥキディデスの罠を越え、大国関係の新しいパラダイムを開くことができるか』という問いは、大国の指導者たちが共に書いていくべき時代の回答」と述べた。「罠はない」としていた過去の表現とは異なり、今回は「罠を克服しなければならない」という趣旨で言及し、衝突の可能性を現存する脅威として既成事実化するニュアンスを漂わせた。過去10年余り続いた米中間の貿易戦争、技術覇権競争、地政学的葛藤を経て、両国関係が実際に衝突直前の危機状況に置かれているという意味と解釈される。

◇今回の会談では「罠を克服すべき」…「共存」強調

これは台湾問題に関連した警告メッセージとも相まって、さらに注目された。習主席は会談で「台湾問題を間違って処理すれば、両国はぶつかったり、さらには衝突して関係全体を非常に危険な状況へと追い込むことになる」とした。既存の覇権国である米国と新興覇権国である中国の衝突の可能性を否定せず、発火点は中国がレッドラインとする台湾問題になり得るという、レベルの高い警告性の言辞とみることができる。

習主席の今回の発言は、米中関係が事実上、両強(G2)構図に再編されたことを前提とした戦略的メッセージである可能性があるという分析が出る背景だ。かつて習主席の「外交策士」と呼ばれた香港中文大学深圳キャンパス公共政策学院の鄭永年院長は、最近のインタビューで、「すでにG2構図が形成されただけに、米国がゼロサム的な思考を捨てて協力しなければならない」と主張した。

トゥキディデスの罠は、古代ギリシャの歴史家トゥキディデスが『ペロポネソス戦争史』で記録したアテネとスパルタ間の戦争に由来する概念だ。国際安全保障分野の世界的な学者である米ハーバード大学ケネディ行政大学院のグレアム・アリソン教授が2017年に出版した著書『米中戦争前夜 新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』で、台頭する新興強大国と衰退する既存の強大国間の武力衝突の構造的危険を警告しながらこの概念を提示し、大きな注目を集めた。



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