KDIのチョン・ギュチョル部長が上半期の経済見通しを発表している。[写真 ニュース1]
成長率反騰の最大の要因はやはり半導体だ。KDIは人工知能(AI)ブームでメモリー半導体に対する高い需要が相当期間持続し輸出好調傾向が続くとみている。輸出が今年4.6%、来年は2.2%増加し、経常収支も今年2400億ドル、来年は2100億ドル規模の大規模黒字を達成すると予想した。
KDIマクロ・金融政策研究部のチョン・ギュチョル部長はこの日の会見で、「成長率を上方修正したのは中東情勢の否定的な影響よりは半導体輸出の肯定的な影響が大きいだろうという判断。0.6ポイントのうち半導体の寄与度は0.3ポイント以上」と説明した。続けて「中東情勢は0.5ポイントほど成長率を下げる要因として作用し、追加補正予算は0.2ポイント高めると推定した」と付け加えた。
民間消費も所得改善や政府支援政策により今年2.2%、来年1.5%増加し回復傾向を見せると予想した。就業者数は今年と来年それぞれ17万人増加し緩やかな雇用改善の流れを維持すると予想した。KDIは今年の成長見通しを昨年下半期の1.8%から今年2月には1.9%に小幅に引き上げた。上半期の公式見通しではこれを0.6ポイントさらに引き上げたのだ。国際金融センターによると、主要投資銀行が予想する今年の韓国の経済成長見通し平均も先月末基準2.4%で前月より0.3ポイント上昇した。
問題は中東発の高物価だ。KDIは今年の消費者物価上昇率見通しをこれまでの2.1%から2.7%に大きく引き上げた。今年の原油輸入単価がドバイ原油基準で中東情勢悪化により2025年の1バレル=69ドルより高い91ドルを記録するとみた。国際原油価格は時差を置いて国内消費者物価に影響を及ぼす。
KDIによると中東情勢悪化後にエネルギー運送の不確実性にともなう原油価格上昇が今年の消費者物価上昇率を1~1.6ポイント高めると分析される。だが石油最高価格制など物価安定対策の影響で2.7%水準にとどめられると判断した。また、来年には国際原油価格が82ドルまで下落し、物価も2.2%程度に上昇幅が一部縮小されると予想した。食料品とエネルギーを除いたコア物価が今年2.5%、来年2.3%上昇し消費を冷え込ませる恐れがあるとみた。
目標物価である2%水準を維持するために韓国銀行が基準金利を引き上げる可能性も大きくなっている。米国など主要国も物価上昇が再び激しくなり利下げの見通しが後退する傾向だ。KDIは「景気改善と国際原油価格急騰により期待インフレが不安定になる可能性に備え通貨政策は柔軟に対応する必要ある」と提言した。現政権が掲げる拡張財政基調が物価上昇をあおりかねないとの懸念もある。チョン部長は第2次追加補正予算案編成の必要性に対し、「見通しの通りならば景気浮揚に向けた拡張財政政策の必要性は大きくない」とし、潜在成長率向上と所得脆弱階層支援を中心に支出効率化努力を続けなければならないと提言した。
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