12日(現地時間)、米ワシントンの議事堂で開かれた歳出委員会国防小委員会の公聴会に出席したヘグセス国防長官 [AFP=聯合ニュース]
この日、米上院軍事委員会の公聴会でブライアン・シャーツ議員(民主党・ハワイ)は「韓国に配備されたTHAADとパトリオットシステムの一部が、戦争終結後に中東へ急きょ搬出された」と指摘した。
これに対しヘグセス長官は「すべてはすでに完璧に考慮されたものといえる」と述べ、一部の搬出を認めた。続いて「統合参謀本部と行政指揮部(civilian leadership)、そして大統領がすべての側面を徹底的に検証した」とし「これは非常に明確な目標追求によるもの」と付け加えた。ただ、このプロセスを韓国側と協議したという言及はなかった。
これは対北朝鮮防衛のための核心資産であっても米国の必要に応じていつでも搬出対象とする「戦略的柔軟性」の方針を、米国がすでに全世界の駐留米軍資産に適用しているという意味と考えられる。今後も核心資産が韓半島の外に搬出される状況が繰り返される可能性がある。
これに先立ち、在韓米軍は今年3月、慶尚北道星州(ソンジュ)のTHAAD迎撃ミサイルを烏山(オサン)米空軍基地に移した。パトリオット迎撃ミサイルや戦術地対地ミサイル「エイタクムス(ATACMS)」の弾薬とともにTHAAD迎撃ミサイルも中東のイラン戦争に投入される直前「待機状態」に入っていた。ヘグセス長官の説明通りなら、このうちTHAADとパトリオット迎撃ミサイルの一部が今月に入って中東に搬出されたとみられる。
ヘグセス長官がこれを軍の指導部だけでなくトランプ大統領が直接承認した事項だと説明した点も注目される。トランプ大統領が2月28日に対イラン軍事作戦「壮絶な怒り」に突入した当時から、在韓米軍のTHAAD迎撃ミサイルを搬出対象に挙げていたと解釈できるからだ。
トランプ大統領は過去にTHAAD問題をめぐり韓国政府に不満を抱いた。トランプ政権初期に外交・安全保障政策を統括したマクマスター元米大統領補佐官(国家安全保障担当)は2024年の回顧録で次のように振り返った。「2017年当時、大統領候補だった文在寅(ムン・ジェイン)氏がTHAAD配備を再検討すると発言したのを聞いたトランプ氏は私に対し(THAAD配備費用を)韓国に支払わせるべきだと言いながら激怒した」。実際、その後の防衛費分担金特別協定(SMA)交渉過程で米国側は繰り返しTHAAD費用を負担するよう韓国側に要求した。
北朝鮮の弾道ミサイルを終末段階で迎撃するTHAADは、現在まで米韓の多層防衛体制において代替不可能な資産だ。韓国政府は国産高高度迎撃体系である長距離地対空迎撃ミサイル(L-SAM)の開発を完了したものの、実戦配備にいたるまでは一部THAADに依存することが避けられない。
特にTHAADは2016年の配備決定直後から世論の分裂による国内的葛藤や、中国による全面的な報復といった経済・外交的後遺症を招いた。このように敏感かつ象徴性の高い資産を優先的に中東に搬出したのが事実であれば、同盟国の立場や政務的な考慮なく、米国の軍事的必要性を最優先したということだ。THAAD迎撃ミサイルが韓半島の外に搬出されたのは今回が初めてだ。
さらに、在韓米軍の資産再配備は在韓米軍の役割を拡大させる実質的なきっかけになるとの指摘もある。米韓の高官らは「発射台やレーダーなどTHAADの核心体系の移動はない」と強調するが、韓半島有事に備えた予備弾薬が国内にないというのは対北防衛態勢弱体化の信号と受け止められかねないと、軍内外から懸念の声が出ている。イラン戦争が長期化し、米国が全般的な「弾不足」となる中、搬出されたTHAADミサイルの穴がいつ埋まるかも不透明な状況だ。
ブランソン在韓米軍司令官はこの日、米陸軍太平洋司令部が主催する年次セミナー「LANPAC」の基調演説で、韓国独自の防衛能力および維持・補修・整備(MRO)能力の強化を強調した。
ブランソン司令官は「我々の同盟が自ら何をするべきか、必ず明確にしておかなければならない」とし「我々は新しい時代に集団防衛の重荷を分担することになる」と述べた。続いて韓国が今後、国防費支出を国内総生産(GDP)の3.5%まで拡大すると言及し「韓国は自ら回復力のある同盟であることを証明している」と話した。
また「これは単に数字の問題ではなく、軍事産業的な自律性を意味する」とし「地域全体に貢献すると同時に、自立的、自律回復的な防衛基地(self reliant defense base)を構築する」と意味づけた。これは、韓国が独自の対北朝鮮防衛を担うのはもちろん、域内の「共通の敵」に対する抑止力強化にも貢献するべきという趣旨とみることができる。
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