青瓦台の金容範政策室長
金室長の提案は論争的であると同時に危険だ。過度に楽観的な認識に基づいているためだ。AI発の半導体好況の持続可能性を壮語ことはできないだけでなく、米国と中国など主要国が猛烈に追撃している。超格差維持に向けた戦略もなくバラ色の見通しだけ並べることが大統領の最高位経済参謀の役割なのか。
個別企業利益の「社会還元」や「国民配当」という用語に込められた反市場的ニュアンスも極めて懸念される。彼は「AIインフラ時代の果実は特定企業だけの結果ではなく、半世紀にわたり全国民がともに積み上げてきた産業基盤の上から出る。果実の一部は全国民に構造的に還元されなければならない」とした。彼の発言が伝えられた後、韓国総合株価指数(KOSPI)は取引時間中に5%以上急落した。ブルームバーグは「超過利潤税ではなく超過税収活用という当局者の説明が出て下げ幅を縮小した」と指摘した。
金室長の説明通り、「国民配当金」が半導体好況で予想される途轍もない超過税収の使用案を設計しようということならば国民的合意により国の借金を返したり持続可能な成長に向けた投資と二極化解消に向けた普遍的福祉まで使い道を考えれば良い。あえて農漁村ベーシックインカムや老齢年金強化などの使い道をあらかじめ決めておいて「国民配当金」という名札まで付ける必要はない。
李在明(イ・ジェミョン)大統領はきのう、「ポピュリズム的緊縮財政論のわなに陥ってはならない」と強調した。こうした雰囲気で出た青瓦台政策室長の「国民配当金」提案はベーシックインカムなど現金ばらまきの名分を作ろうとしているものとの誤解を招きやすい。経済を本当に回復させるには客観的現実に基づいて市場経済秩序を歪曲しないアプローチが必要だ。
この記事を読んで…