サムスンバイオロジクス労働組合のストライキ4日目となる4日午前、サムスンバイオロジクス工場入口の様子。キム・ギョンロク記者
ストライキにタダはない。賃金損失や成果給(OPI・TAI)の減少は、結局は参加者の負担となる。高額年俸の人材が10万人を超える組織で労組の組織率が急速に高まった状況において、「なぜストを行うのか」に対する社会的共感が不足していれば、疲労感は急速に蓄積される。行動経済学は、人間が長期的利益よりも短期的な報酬や即時的な感情により敏感であることを示している。ノーベル経済学賞受賞者であるダニエル・カーネマン氏も『ファスト&スロー(Thinking, Fast and Slow)』で、人間は熟考より直観、将来の利益より現在の報酬により強く反応すると説明した。過去に頻繁なストを経験した他の大企業では、労使双方がストがどれほど苦痛であるかをよく知っているため、容易には持ち出せない。その背景には、過去の「痛みを伴う経験」がある。
半導体工場は、化学物質の供給、電力、中央統制システムが同時に稼働する複合設備だ。工程が数分止まるだけでも数百億ウォン規模の損失が発生する可能性がある。計18日間ストが続く場合、約18兆ウォン(約1兆9200億円)の生産支障が発生し、連鎖効果まで含めると最大30兆ウォンの損失の可能性も指摘されている。一部の専門家は、成果給が意図する協業効果よりも、目先の成果給引き上げを求めるストの雰囲気が強いのであれば、中核となる技術人材の貢献が十分に反映されるように、成果給制度の見直しが必要だと指摘する。労使交渉を通じて営業利益の15%を長期間一律に支給する場合、莫大な人件費負担により、中核人材の確保および維持に大きな負担が生じるおそれがある。
半導体産業は、生産ライン1本に50兆ウォン以上が投入される超大型投資産業だ。労組の要求どおり成果給を支給した場合、その規模は40兆ウォンに達する。これは新規生産ライン投資の可否を左右し得る規模の資金であり、年間の研究開発費を上回る規模だ。生産ラインが1本消えれば、それだけ若年層の雇用は減少し、研究開発費の縮小は将来の競争力低下につながらざるを得ない。もしSKハイニックスのように営業利益の一定比率を長期間固定支給し、年俸上限まで廃止するなら、半導体スーパーサイクルが崩れ業績が悪化する局面で、成果給の財源はどこから確保するのか。
40兆ウォン規模の成果給は、通常の配当財源の5〜6倍水準に相当し、これは単なる賃金問題ではなく企業の財務構造全体に影響を及ぼす事案だ。結局、この問題は経営陣の背任論争や、成果給の平均賃金認定の可否をめぐる集団訴訟にまで発展しかねない。成果給財源をめぐる論争が拡大すると、一部の株主はストはもはや労使間の問題ではなく利害関係者全体の問題だと主張し、対抗集会まで開いている。
半導体産業の成果は企業内部の努力だけで生み出されたものではない。現在の半導体の競争力は前世代の投資の上に形成されたものだ。国家の税制支援、政策金融、電力および用水インフラ構築支援がともに作用した結果だ。今日の成果配分は「誰がどれだけ取るか」ではなく「未来のために何を残すか」の問題だ。過度な配分は将来の投資余力を削り、その負担は次の世代へと引き継がれる。大規模な設備投資についてのウォーレン・バフェット氏の言葉のように、「今日、誰かが木陰で休めるのは、ずっと前に誰かが木を植えたから」だ。半導体産業のように国家経済を支える企業におけるストは、常に最後の手段であるべきだ。ストは正当な権利だ。しかし、そのコストが投資縮小および競争力低下につながるなら、その選択もまた社会的責任を免れない。
趙俊模(チョ・ジュンモ)/成均館(ソンギュングァン)大学経済学科教授、リセットコリア労働分科委員
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