2日、米フロリダ州パームビーチ空港で取材陣と対話するトランプ米大統領 [AP=聯合ニュース]
オバマ元大統領が退任後「在任中の最大の過ち」に挙げたリビア介入も同じだ。2011年初め「アラブの春」がリビアにも広がると、40年以上も鉄拳統治を続けてきたムアンマル・カダフィは強硬な鎮圧に乗り出した。すると、イギリスやフランスなど欧州の主要国が人道的介入を名目に軍事行動に出ようとした。
米国では激しい論争があった。「リビア政権による集団虐殺を防ぐべき」という軍事介入論と、「もう一つの中東戦争になりかねない」という慎重論が対立した。民間人の保護という大義名分と、戦争による疲弊という現実が衝突する中で、当時のオバマ大統領がとった折衷案がいわゆる「リーディング・フロム・ビハインド(Leading from Behind)」、すなわち「後ろから導くリーダーシップ」だった。米国が初期の空爆を主導し、その後は欧州の同盟国が前面に立つという方式だ。
しかし本当の問題は2011年10月の独裁者カダフィの死後からだった。激しい内戦と権力の空白の中で国家機能が崩壊し、2023年の大洪水では中央政府の不在と災害対応体系の不備により数千人の民間人が死亡した。「ポスト・カダフィ」戦略の欠如が招いた結果だった。オバマ元大統領が退任後の2016年に「リビア介入を最も後悔している」と語ったのもこうした背景だった。
米国と戦争中のイランはリビアを想起させる側面がある。抑圧的な統治体制、反政府デモ隊をためらいなく流血鎮圧する狂気じみた政権などだ。しかしイランはリビアよりもはるかに複雑な国だ。軍事力と中東全域にわたる影響力、絡み合った地政学的な変数まで、糸がもつれている構造だ。
そのようなイランに対して米国は軍事行動を選択した。15年前にリビアを懲らしめた時とは異なり、今回はそばにイスラエルがいるだけだ。「リーディング・フロム・ビハインド」ではなく、事実上の「リーディング・アローン(Leading Alone・独り歩き)」といえる。
トランプ大統領が「4~6週間で終わる」と自信を見せていた戦争はいつの間にか2カ月を超えた。明確な出口戦略なく始まった軍事介入がさらなる混乱を招くという前例を米国はリビアで見てきたが、その教訓を忘れてしまったのだろうか。終戦への出口が見えないイラン戦争も「始めるより終わらせるのが難しい戦争」のリストに追加される可能性が高まっている。
キム・ヒョング/ワシントン総局長
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